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集部日記

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2012-09-14 国民の側が試されている

現在、民主党も自民党も、それぞれのトップ選びで“てんやわんや”の様子です。9月14日現在、立候補者乱立の自民党。その候補者すべてが世襲政治家です。何だかんだいって、最後は幹事長の石原伸晃さんかと思いましたが、突然の「サティアン」発言。そもそもわかっていたことではありますが、その幼稚さ、思慮のなさ、人間的な軽薄さが、あらためて白日のもとにさらされました。ただ、ここでわれわれも注意しなければならないのは、先の「死のまち」発言ではありませんが、メディアの安易な報道に乗らないことです。できることなら、きちんと自分の目で、耳で確かめましょう。

一方の民主党ですが、下馬評では野田佳彦さんの再選だろうといわれています。増税内閣のトップ、マニフェスト違反の野田さんです。その野田さんが首相になり、増税を声高に叫び出したころ、3年前に大阪でおこなったといわれる街頭演説がネット上に流れました。もちろん、いまも検索すれば出てきます。ご丁寧にテロップつきのものもあります。それをここでも再現してみましょう。

「マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。書いてあることは命がけで実行する。書いていないことはやらないんです。それがルールです。書いていないことを平気でやる。これっておかしいと思いませんか。書いてあったことは4年間、何もやらないで書いていないことは平気でやる。それはマニフェストを語る資格がないというふうに、是非みなさん思っていただきたいと思います。その1丁目1番地、税金のムダ遣いは許さないということです。天下りを許さない、渡りは許さない。それを徹底していきたいと思います」

「消費税1%分は2兆5000億円です。12兆6000億円ということは、消費税5%ということです。消費税5%分のみなさんの税金に、天下り法人がぶら下がっているんです。シロアリたちがたかっているんです。それなのに、シロアリ退治をしないで、今度は消費税引き上げるんですか。消費税の税収が20兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません。鳩山さんが4年間消費税を引き上げないと言ったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。徹底して税金のムダ遣いをなくしていく。それが民主党の考え方であります」

誰が言っているわけではありません。野田さん本人が、つい3年前、自分の口で言ったことです。厚顔無恥、開いた口がふさがらないとはこのことです。この間「3党“談合”合意」までして、消費税増税だけを決めました。よくぞここまで正反対の行動ができるなと、逆に感心してしまいます。まったく自分の言葉に責任を持たない。ウソを平気で言う。それが一国の総理だというのだから恐ろしい話です。

いとも簡単に、なぜここまで豹変できるのでしょう。「人間は変わるもの」だとしても、芯の部分がコロコロ変わっては、何も成し遂げることなどできません。少なくとも野田さんは先の演説の内容について、政治塾から地方議員、そして国政で何年も過ごしてきた中で、自分できちんと積み上げてきた論考ではないことが、はっきりしました。彼はこの間、いったい何をしてきたのでしょうか。でも、彼のような政治家は永田町に腐るほどいます。「国会議員は半減」という主張に説得力があるのはこのためです。

「日本維新の会」が立ち上がりました。歴史に学べば、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツにいよいよ酷似してきたとも言われています。それでも既成政党に絶望している現状では、いわゆる「第3極」に望みをたくす以外ありません。亡国への一歩なのかもしれませんが、国民の側に選択肢はないのです。

仕事で永田町、霞が関界隈を歩くことがあります。国会や議員会館、各省庁、まさに国の中枢ですが、その空間は、私などからすると、まさに非日常の世界です。どこか緩慢としていて、ある意味、すばらしく居心地はいい。こんなところに何年もいると、きっと感覚は麻痺してしまうでしょう。世間の喧騒も、庶民の苦しみも、地方の疲弊も、ここの“住人”にわかるとはとても思えません。

代表選、総裁選の状況にもよるでしょうが、解散・総選挙は遠のいた感があります。それにしても来年の夏までに必ず選挙はあるわけで、その後の政界再編が何を生み出すか、きっちりと見ていかねばなりません。国民の側が試されているのです。

国の財政がこれだけひっ迫していると言いながら、自民党は今後10年で“国土強靭化”という名のもとに200兆円のバラマキをすると言っています。人間の愚かさはこの発想に尽きると思います。大地震は必ず起こるでしょう。大津波も必ずきます。そうなったとき、どんな防壁をつくっていたとしても、まったく意味をなさないでしょう。東日本大震災で亡くなった人には酷かもしれませんが、大自然の前には人智など、たかがしれているということです。これ以上、国土を破壊するためにお金を使うのではなく、自然と共生していく方向にお金を使うべきだと思います。

やはり八ツ場ダムは中止です。北海道でいえば、サンルダムも平取ダムも、やらせのような「意見を聴く場」の推進の声に惑わされることなく、逆にダム撤去を新しい公共事業にすべきでしょう。どうしてそこまでして故郷の山河を壊したいのでしょうか。一度壊した自然は、二度とかえってこないのに。

さて、明日発売予定の「財界さっぽろ」10月号ですが、先般の大雨、JR江差線の脱線事故などにより、書籍の搬入が送れています。その影響で10月号の発売日が若干延びます。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。10月号も圧倒的内容です。明日の新聞広告、ホームページ等でご確認ください。よろしくお願いいたします。(鈴木正紀)