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Interview

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道民に寄り添い、笑顔になる商品を届ける掲載号:2019年5月

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稲熊栄二 ポッカサッポロ北海道社長

「リボンシトロン」「リボンナポリン」といえば、道民のソウルドリンクと言っても差し支えない。同商品を発売するポッカサッポロ北海道のトップが交代。新社長の稲熊栄二氏は「北海道産の原料にこだわった商品開発に力を入れたい」と意欲を見せる。

道民は優しい、世話好きな人柄

稲熊栄二氏は1968年生まれ。愛知大学法経学部卒。1992年にポッカコーポレーション(当時)に入社。ポッカサッポロフード&ビバレッジの営業本部中部支社名古屋量販支店長から、3月28日付でポッカサッポロ北海道の社長に就任した。以下、稲熊氏との一問一答。

   ◇    ◇   

――稲熊社長は愛知県のご出身ですね。

稲熊 蒲郡市の生まれです。海沿いの港町で、たくさん魚介類がとれます。そんなのどかなまちで幼少期を過ごしました。

――大学を卒業し、ポッカコーポレーションに入社しました。

稲熊 就職先を探しているとき、みんなが楽しんで食べたり、飲んだりできる。そうしたことに携わる会社で働きたいと考えていました。地元企業で探したとき、名古屋市が本社のポッカコーポレーションがあり、志望しました。

――入社後、どのような仕事に携わってきましたか。

稲熊 すぐに関東に配属となり、東京と千葉であわせて14年間務めました。主に食品スーパーなどの量販店さんや問屋さんへの営業でした。

当社の事業は、ジュースをはじめとする「飲料」、「ポッカレモン100」に象徴される「レモン食品」、スープなどの「インスタント」という3つのカテゴリーに分類されます。同時にエリアによって強いカテゴリーが異なるのも当社の特徴です。

首都圏は、「ポッカコーヒー」という商品のシェアが高い地域です。当時、缶コーヒーを一生懸命に売っていました。いま振り返れば、飲料の売り方を徹底的に学んだ時期だったのではないでしょうか。自販機事業にも携わりました。

――その後、北海道で勤務したそうですね。

稲熊 06年、北海道ポッカコーポレーション(当時)に出向する形で赴任しました。はじめて北海道のマーケット環境に触れることができました。

北海道ポッカコーポレーションは、「ポッカレモン100」やそれを使用したレモン飲料のシェア率が高いため、そうした商品を売ることを学ばせていただきました。

仕事を通じて道内各地をめぐり、道民のみなさんの温かさ、世話好きな人柄を感じた時代でした。

北海道で6年勤務した後、石川県金沢市に北陸支店長として配属されました。北陸はインスタントスープが全国平均より多く飲まれるエリアです。

それぞれのカテゴリーの重点区を経験して、15年から名古屋量販支店長として中部支社で勤務し、いままでのノウハウをフル活用しながら、勤めさせていただきました。

「リボンシトロン」が発売110年

――北海道限定の炭酸飲料である「リボンシトロン」と「リボンナポリン」は、ロングセラー商品として人気です。

稲熊 前回、北海道に赴任したとき、道民の方からこう打ち明けられたことがあります。「リボンシトロンとリボンナポリンは、おじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに行ったら、常備されている。親戚や友人が集まったとき、ジュースを飲みながら歓談する。リボンシトロンとリボンナポリンには、笑顔で楽しい思い出がつまっているんです」と。われわれにとって、こんなにうれしい言葉はありません。

――「リボンシトロン」は今年で発売110年を迎えます。

稲熊 飲料の世界で、110年も続くブランドは、なかなか見かけません。

当社では、リボンシトロンが発売された「6月10日」を「シトロンの日」(社団法人日本記念日協会)として登録しました。5月には、リボンシトロンの中身とパッケージをリニューアルします。

――4月15日には「大人のリボンナポリン」が発売されました。

稲熊 「リボンナポリン」も再来年で発売から110年となります。子どもの頃、リボンナポリンをよく飲んだお客さまが、大人になってまた飲んでみようかなと。「大人のリボンナポリン」は手にとっていただくきっかけになる商品です。

この商品には、ブラッドオレンジの果汁を混ぜています。甘さを感じながらも、すっきり飲んでいただける味わいになっています。

――地元の農家などと協力して、道産の原料を使用した商品開発に力を入れていますね。

稲熊 当社の商品は北海道のみなさんに、ずっと愛していただいています。原材料に北海道の食材を利用することで、恩返しがしたい。微力ながら地域経済の活性化、雇用の創出に貢献できればと考えています。

たとえば、リボンシトロンとリボンナポリンには北海道産のビート糖を使っています。生産者の方々は「リボンナポリンには、私たちのビート糖を使ってくれている」と喜んでくださります。

今年は期間限定で発売する夕張メロンソーダが発売から10周年を迎えます。夏には北海道の複数の素材を生かした新商品を全国発売する予定です。大々的に分かりやすい形でPRし、北海道の食のすばらしさを全国に届けます。

季節にあわせたスープを提供する

――レモン食品部門の戦略はありますか。

稲熊 当社のレモン食品部門の18年出荷量は、過去最高となりました。道民1人当たりのレモン食品の消費量は全国トップです。

リボンシトロンやリボンナポリンと同じで、「お母さんが牛乳や水、揚げ物、焼肉などに『ポッカレモン100』を使っていた」という話をよく聞きます。今後とも、親から子、孫の世代に脈々と受け継がれていく商品に育てていきたい。

「ポッカレモン100」は、レモン果汁100%で、保存料無添加です。普段の食生活でどうしたらおいしく活用できるのか。レモンが持つ健康価値を発信しながら、料理レシピなども紹介していきます。

――「インスタント」食品部門については。

稲熊 いま、日本のインスタントスープ市場は年々大きくなっています。1つは、パンの消費が増えたということです。食の洋食化の延長線上として、インスタントスープが食卓に登場します。もう1つは、簡単にすぐに飲めることです。

主力の「じっくりコトコト」ブランドは、コーンやクラムチャウダーなどのメーンのフレーバーはそのままにしつつ、サブフレーバーとしてその季節にあわせた新しいものを発売していきます。原料にこだわった商品展開をしっかりとさせていただきます。

現地法人であることの意義を追求

こうした商品とは別に、業務用商品にも力を入れています。たとえば、リボンナポリン、ハスカップエキスのシロップです。当社と取引のある道内の飲食店では、焼酎と炭酸で割ったサワーとして提供されています。地元の方には懐かしい味、観光客には旅の思い出として、飲んでいただいています。

――最後に抱負を聞かせてください。

稲熊 「ポッカサッポロ北海道」は現地法人の販売会社です。どうすれば、われわれが道民のお役に立つことができるのか。当社が北海道のみなさんに愛していただけるために、どのような活動を展開していくべきなのか。私はこの2つを追求していくことが、当社に課せられた永遠のテーマだと思っています。

今後とも、道民のみなさんの笑顔に寄り添いながら、元気を届けられる企業でありたいです。

=ききて/前田圭祐=