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2022年

平元彦・ナシオ新社長「リテールサポートを進化、道民の食文化を豊かに」

平元彦 ナシオ新社長

平元彦氏は1989年生まれ、札幌市出身。札幌光星高校を卒業後、成城大学に進学。12年に卒業し、ネスレ日本に入社。17年ナシオに取締役として入社し、常務、専務、副社長を経て22年7月に社長就任。父の平公夫氏は代表権を持つ会長になった。

 平・ナシオ新社長

気持ちはベンチャー商品力で差別化

 

――7月22日に社長に就任しました。意気込みを。

  ナシオは今年で創業112年目を迎えました。老舗企業ではありますが、中身は変えていかなければならないと考えています。気持ちはベンチャー企業です。前例にとらわれず変革をしていきたい。

 ――交代時期は以前から決まっていたのですか。

  5年前の入社時、父が70歳になる時にと告げられていました。ちょうど70歳になりましたので予定通りかもしれません。幼少期、祖父も父も何も言いませんでしたが、亡くなった祖母からは「社長になっても大丈夫。継いでね」とよくささやかれていました。おばあちゃんっ子なので裏切るわけにはいきません(笑)。

 ――自身で立ち上げた「ビジネス開発事業部」のコロナによる影響は。

  海外部門を担う新設部署で、新規取引先を増やす段階でした。これがコロナ禍でストップしてしまいました。既存の顧客に関してはズームなどを駆使して維持、微増していますが、影響は大きいですね。

 ただ、この海外事業部門をつぶしてしまうと、コロナ後にまたつくらなければなりません。今はベースを維持しながら来たるべき時に備えている状況です。

 ――海外で人気の商品は。

  中国をはじめとする東南アジアをターゲットにしていますが、国によってまちまちです。例えば中国では半生の商品が人気で、カステラやバームクーヘンが売れます。海外のカステラはパサパサしていておいしくないんですよ。日本の商品はしっとりしていて質が良いとよく言われます。

 ――国内ではコロナ特需がありましたね。

  スーパーは良かったのですが、当社の取引比率が高いコンビニエンスストアは大きく影響を受けましたし、大学がオンライン授業に移行したことで、大学生協の売り上げも落ちました。総合するとプラマイゼロです。

 ――現在の年商と内訳は。

  500億円前後で推移しています。東京および全国展開する広域部門をあわせて350億円。札幌は100億円です。

 子会社のノースカラーズの売上が13億円ありますが、来年は20億円を見込んでいます。これを全体の10%である50億円まで引き上げたい。そのぐらいの勢いで伸びています。

 以前は売り上げを伸ばすことに力を入れていましたが、現在は売上を求めずに差別化戦略をとっています。

 売上を求めすぎると価格競争になり、利益が出ません。場合によっては赤字です。違いがなければ価格競争になります。商品開発力や提案力に磨きをかけて拡大していきたい。

 この戦略が功を奏し、ここ2年は、東京でも新規のお客様が増えています。

 

このインタビューの続きは本紙で・・・


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