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サスティナビリティ(23)クリーンテック革命で北海道の再生を-(8)
Competition(各国、地域による主導権掌握争い)-1
更新日:2008年06月10日

    

  「G8北海道洞爺湖サミット」開催まで残りひと月となった。警備をはじめとした準備も着々と進められ、環境展などのイベントも目白押しで歓迎ムードが盛り上がりつつある。現在私はニューヨークにいるが、“いよいよ北海道の正念場が来るのだ”という想いを遠く離れた地でも感じている。
 それは、今回のサミットが日本、さらには北海道の政治・経済・生活に劇的な変化をもたらすことになるだろうと感じるからである。「グリーン・革命」が始まろうとしている。
 「グリーン・レボリューション(環境革命)」の著者ロン・バーニックは、劇的な変化をもたらす要因として6つの“C”を挙げたが、3番目の“C”はCompetition(主導権争い)である。各国・地域・連合体は環境分野で主導権を握るべく積極的に競争している。その施策としては、CO2排出量の目標、排出権取引、新興国への支援などであり、このために莫大な予算を計上している。その莫大な予算(補助金、税の優遇、新たな標準の設定)は温暖化防止の目的にとどまらず、地域経済の活性化、新たな産業創出による雇用増加、偏在している化石エネルギー依存の地政学的リスクに対応しようとするものである。

 今回のサミットでは、環境への取り組みで先行しているEU諸国、産業優先でいささか後ろ向きの米国・カナダ、そして排出ガス削減は主に先進国がやるべきと主張する新興国が激論を交わすことになるだろう。
 その中で、日本は議長国として論議をまとめるためにも、そして今後の主導権を多少なりとも掌握するためにも、かなりストレッチした目標値を打ち出すことになるだろう。前回のハイリンゲンダム・サミットで当時の安倍首相は50年までに温暖化ガス半減を打ち出し、福田首相は、本年2月開催のダボス会議で「クールアース推進構想」を述べ、08年からの5年間で100億ドル規模の資金を供給すると発表した。
 現在のサミットに向けての日本の方針は
1. 2050年までに世界の温暖化ガスを50%削減
2.セクター別アプローチ(産業別、部門別に技術的な削減可能量を算出し、各セクターが実現をコミットする積み上げ型方式)
3.途上国に5年間で100億ドルを環境対策として支援
4.エネルギー分野の研究開発費として5年間で300億ドル予算化
であり、さらに2050年までに日本の排出量を60-80%削減することと、国内排出量取引を導入することを検討しており、サミットで発表すると見られている。
 これらは42年先の目標であり、サミットの場で各国からは日本の中期目標(例えば2020年時点での排出量削減目標)を求められるのではないかと思われる。

 一方、本年3月19日に経済産業省で発表した「エネルギー需給の長期見通し」では、「最先端の製品や技術が導入され、最大限の省エネ努力をしたならば」という前提で、2020年には11%削減(2005年比)できる可能性があるが、その一方で、技術導入が進まなかったら8%増加すると発表している。これでは京都議定書で日本がコミットした2012年で1990年比6%削減の削減義務さえも実現できない。さらに削減のためには52兆円の予算と資金を投入する必要があるとのことである。
 実際、京都議定書で決められた6%削減も2006年時点では反対に6.4%増えており、国際的な約束を守るためには、2013年までに1990年比12%以上(6%+6.4%)を削減しなくてはならない。

 日本が議長国として「G8北海道洞爺湖サミット」で主導的に設定すると思われる温暖化ガス削減の長期目標さらに中期目標は、各国のコミットメントでありその実現に向かって具体的に取り組まなければならないものである。
 それらは、エネルギー源の全面的刷新、資源の抜本的見直し、自然(特に森林)との共生、革新的クリーン・テクノロジーへのシフト、日常生活の見直しなど、国際関係・産業、・社会・生活のあらゆる分野で、今までとは全く異なる変化をもたらすものになるだろう。
 一方において、環境産業でのビジネスと雇用の創出、海外諸国との新たな関係構築、排出量取引というビジネス機会、汚れのない地球を子孫に残すという人間本来的な役割を実現させるものである。何せ、世界がこの実現のために数百兆円規模の予算と資金を投じて、地球を守ろうとし始めている。

 北海道がいかにこの目標達成に貢献出来るのか?次回には私見としてその点を取り上げたい。