今振り返る、私の思い出紀行 第二十二回【新生 社長 堀元 雅司氏】

大好きなバイクでツーリング仲間と全国を駆け巡る旅
釧路での高校時代、バックパックにテントや寝袋を詰めて列車や徒歩で各地を巡る、いわゆる〝カニ族〟が私の旅の原点です。
在学中にバイクの免許を取得して、アルバイトで中古の中型バイクを購入。旅はバイクツーリングになり、より遠くへと向かいました。
その後、札幌の美術系の専門学校へ進学。デザインを学ぶ傍ら、友人にバイクの魅力を伝え、夏にはバイクツーリングで仲間の輪を広げていきました。バイクはただの移動手段ではなく、友情を広げるツールにもなっていて、その魅力にすっかり取り憑かれてしまいました。
就職では、東京の広告代理店に勤めました。バイクも一緒に持っていきましたが、当時はバイク仲間も少なく、ソロツーリングが中心。週末には大磯から西湘バイパスを走り抜けて、箱根・芦ノ湖まで走るのが定番のコースでした。
札幌に戻ってからも時間があるとツーリングで「ライダーの聖地」とされる北海道全域を回り、温泉や各地の美味を楽しみました。
また、バイクを通じて驚くようなこともありました。ツーリング仲間となった広告業界の社長から紹介されたバイク仲間が、なんと釧路の小学校の低学年時代の同級生だったのです。45年ぶりの再会でしたが、時を飛び越えたような感覚ですぐに意気投合。お互いにバイクに乗っていたからこその奇跡の再会でした。
彼も含めて年に数回のツーリングを続け、北海道全域コースの制覇後はフェリーで本州に渡り、ロングツーリングを楽しむのが恒例となっています。
東日本大震災の直後は、被災地の復興を願って東北に足を運びました。瓦礫の山、橋が流されて不通の道、街灯のない真っ暗な街に漂う線香の香り…。今も忘れられません。その後も毎年、太平洋側の東北地域を訪れ、復興に向かう町並みに人の強さを感じ、心を打たれています。
ツーリングでは、仕事で使うドローンによる空撮や360度撮影可能なドライブレコーダーによる旅の記録を編集。帰宅後も、走行中には気づかなかった風景に出会うのも楽しみの一つとなっています。
会員となっているロータリークラブにもバイク愛好者がたくさんおられ、国際的活動の一つである「バイクによる親睦活動」を支える組織に参加しています。この日本支部が北海道から発足しました。現在150人ほどが在籍してツーリングを楽しみ、親睦活動に力を入れています。
年齢も職業も異なる仲間たちと、共通の価値観を持って旅をする。それは単なるツーリング以上に豊かな時間であり、新たな旅の形として私の人生に彩を与えてくれています。これからもそんな旅を自由に楽しんでいきたいと思っています。

堀元 雅司氏