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サスティナビリティ(51)
流通業の環境対応(伊勢丹-2)
更新日:2009年04月10日

    

伊勢丹環境委員会の望月友子氏より同社の廃棄物削減の取り組みが発表された。望月氏は女性・主婦の立場から、本プロジェクトを全社一丸となった取り組みとして推進している。同社7店で発生するゴミは2005年度で13トンであり、その37%はレストラン、社員食堂等から発生する生ゴミである。生ゴミの処理にあたっては過去に館内に処理機器を設置して飼料化や肥料化に取り組んだ経験がある。ただ、肥料にしたり飼料にしたりしても最終的には口に入るものであり、安全に直接かかわる。したがって、参加するテナントも限られることから、現在は東京都スーパーエコタウン内メタン発酵による食品リサイクル施設に処理を委託している。ただ、生ゴミに箸やビニール袋が混じっていると処理に支障をきたすので、これをきちっと分別しなければならない。実際に分別するテナントや取引先の人々に協力してもらわないとできない。このため、写真やイラストを駆使し、誰にでも分かるマニュアルを作成した上で、ゴミ分別教育を定期的に実施しているとのことである。 
 望月氏が苦労したのは社員の意識を改革し、いかに全員で取り組んでいくかという環境を作り上げることだった。建物が古くなると保管場所が汚くなり、誰も近寄らないという悪循環が生じてくる。このため、ゴミ処理室を「エコルーム」、ダストシュートを「エコシュート」、ゴミ集積所を「エコステーション」と呼びかたを変更するとともに、清潔な環境に変えていった。紙ゴミとビニールゴミを仕分けるためのベルトコンベアーも本店で設置した。ゴミを処理するのではなく、資源としてイサイクルする場所だという意識づけに努めたのである。
  これらの努力によって、売上あたり最終処理量を2010年度には1999年度対比60%削減するという目標を、2年早い2008年度に達成した。望月氏を中心とする環境委員会が社員および取引先の意識改革と環境の整備に向けて取り組んだ成果が実ったといえよう。
 百貨店で指摘されているのが過剰包装である。ただ、百貨店の存在価値の1つとして丁寧な包装があることも事実であり、物事はそれほど単純ではない。贈答用だけではなく、自分に対してもご褒美として、すてきな包装で包まれた商品を受け取りたいという思いもある。このテーマに百貨店協会として取り組んだのが「スマートラッピング」である。ただ丁寧に包装すればいいという従来の考え方から、写真などで包装見本を提供し、お客さまの使い道にあったラッピングにしようというもの。これにより、苦情も少なくなり包装資材の無駄もなくなったと報告された。伊勢丹ではショッピングバッグが14万枚販売されたとのことであるが、紙袋の辞退率は5.7%である。ブランドが印刷されている包装材へのこだわりを変えていくのはまだまだ大変なのだろう。
 デパ地下は都市生活者の食料品購入の場として定着してきている。伊勢丹は安全・安心な食料品を提供すべく、デパ地下でJASマークのオーガニック食品を取りそろえているが、それ以外にも低農薬や循環型の商品を揃えることで、消費者の環境志向に対応している。売場の45%の商品が環境対応商品だそうである。以前はオーガニックのみの売場であったが、今は通常商品を同じ売場に置き、消費者に選んでもらうようにしているとのことである。
 最後に加藤環境委員会委員長は「環境問題に関し、伊勢丹は本業を通じてお客さまに直接働きかけるようにしています。お客さまと行動をともにすることで、先進的に環境対策に取り組んでいる企業として評価され、信頼されるグループでありたいと願っております。その結果として、グループで働く一人ひとりが本業のみならず、地域や家庭で当たり前のこととして地球環境維持に取り組んでいるというのが伊勢丹の成功イメージです。これを目指していきたい」と話していた。