【周年特別対談】ホームエージェントが次の10年に向けて設定する新テーマは「リセット」
ホームエージェント代表取締役社長
なかがわ・のりひと/東京都立川市出身。アパレルメーカーの訪問販売、ナイトレジャー、大手音響メーカーに勤務。不動産業へ転職を経て、2015年に同社を設立。現在はビル管理や飲食事業も展開する。
(左)細木 利修
ホームエージェント取締役副社長
ほそき・としのり/北海道虻田郡豊浦町出身。18歳からナイトレジャー業界に飛び込み、2009年には店舗も開設。その後、ビル管理会社などを経て、2015年の同社設立時から携わる。
札幌のススキノにおけるテナント仲介件数No.1の「ホームエージェント」は2025年で10周年を迎えた。その勢いは留まることなく成長を加速。そして次の10年に向けては〝リセット〟をテーマに掲げる。新たな年へ向けた抱負とその真意を2トップに聞いた。
バランスを取り走り続けてきた10年間
――創業から10年。事業規模は着実に大きくなっていますね。
中川 メインは不動産売買ですが、2025年は「センチュリー21」のフランチャイズ店をオープンすると同時に、運営を手掛ける「ホームエージェンシー」を設立しました。また「ヒカリスタジオ」を設立してマーケティング事業も開始しました。これで飲食店経営やビルメン事業を合わせて、グループ企業は5社になりました。
細木 5月に賃貸ショップ「住まスマショップ」のコンセプトを変更し、道内業界では初めて女性スタッフのみで運営を開始しています。
――お二人の出会いは。
細木 賃貸物件管理業界は横のつながりが多く、そのコミュニティでの出会いが最初ですね。
中川 元々遊び仲間だったんです。私が起業する際に誘ったのがきっかけです。
――誘われた時はどう思いましたか。
細木 素直に「なんと不釣り合いな」と思いました。道内業界で、圧倒的な知名度のある中川社長から声をかけられたわけですから。ただ、「こんなチャンスはもうない」とも思いました。中川社長に「1年ぐらい結果が出なくても大丈夫」と言われたことで決心が固まりました。
中川 これは作戦通りなんです。
細木 そうなんですよね。たぶん僕の性格を見抜いていたんでしょうね。「結果は出さなくていい」と言われ、「逆に記録的な数字を出してやる」と燃えましたね。
――なぜ細木さんに声をかけたのでしょう。
中川 細木に対する世間の評価は、「カッコよくて面白い人」だったんですね。でも背中を押してあげたら、「面白くて仕事もできる人」に変わると思ったんです。
細木 実際に僕が営業で結果が出なかった時に〝魔法の言葉〟をかけてもらいました。それからは、自分で思い描いた営業ができるよになりましたね。
――10年間で苦しかった時期はありますか。
中川 振り返ると、大体ふたりでなんとかしてきました。どちらかが苦戦しても、片方が助けるみたいな。
細木 僕からすると「自分のできることをすることで、社長が抱えていることを減らす。自ずと社長も余裕が生まれて、会社にとって良い循環が生まれる」というイメージでしたね。テクニカルなことではなく、とにかく量だと思って動いてきました。
――バランスがよかったのですね。
細木 実績のある社長の傍にいて、できるだけ近づけるように努力することがミッションだと思っていました。
中川 これが困ったもので、細木が迫ってくると、追い越されないように僕はその先に進まないといけない。僕が成長を止めたら、細木も成長が止まるし、そうするとホームエージェントの成長も止まる。そう思って、走り続けてきた10年だったと思います。もちろん、これからも走り続けますよ。
――今後の10年、20年を考えたときに何が必要だと感じていますか。
中川 後進の育成です。当社の経営はじきに細木が担うようになりますが、グループ会社にはそれぞれ2年任期で社長を置いています。結果が出なくても、成長の可能性を感じられるように頑張ってほしいですね。
――細木副社長はどう感じていますか。
細木 この10年間、社長を必死に追いかけてきました。その中で土台は自然に出来上がっていました。今後は、そこを基盤に確固たるものを積み上げていくことが使命だと感じます。経験の足りない財務や労務、従業員との関係性の構築など、これから勉強することも多々あります。グループ会社と連携を強めて、相乗効果が発揮できるようになることが理想ですね。
新たに設定したテーマは〝リセット〟
――その理想に向かうために、新たな年はどのように考えていますか。
中川 まずは東京への進出です。年末から年明けにかけて日本橋に営業所、麻布十番にオフィスを開設します。新年早々に賃貸ショップのフランチャイズ店をオープンして、東関東・西関東・北関東を商圏にしたいと考えています。
――事業がさらに動くことになりますね。
中川 やりたい事業は、もちろんいくつもあるのですが、まず僕がしたいのは〝リセット〟です。当社は名前先行型だと思っていて、知名度があってお客さんに期待されていますが、そこにまだ全員の能力が追いついていない。ネームバリューを超えるような会社になるために、一度原点回帰をするべきなんじゃないかと思っています。そこで新たなキーテーマ〝リセット〟を掲げました。
細木 新しい事業、新しいスタッフが動いている中で、私ももう一度初心に返って〝ワクワク感〟を持って仕事に取り組んでいきたいと思っています。それが会社の成長、そしてその先の未来につながっていくと信じています。
中川 原点回帰がないと会社はダメになる。ネームバリューにあぐらをかいてダメになった会社をいくつも見てきました。新年はもう一度創業した時の気持ちに立ち返ります。
(ききて・氏家)