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サスティナビリティ(14)
欧米流通業のケース:ウォルマート(2)
更新日:2008年03月10日

    

 前回、ウォルマートでの160万人にもおよぶ社員の自立的環境問題への取り組みについて触れたが、その具体的な内容について紹介したいと思う。同社はパーソナル・サステイナビリティ・プログラム(PSP)という活動を実施することで社員の自発的な参加を促しており、米国だけですでに25万人が参加している。
環境維持や健康に関し社員の意識を高め、ボトムアップによるサステイナビリティを推進しようとするもので、毎月活動成果をウェブ上で発表している。今まで達成した数値として、ウォーキング・スイミング・自転車の総距離1,700キロメートル、体重の減少8万3千キログラム、禁煙・喫煙頻度の減少2万人、アルミニウムやプラスチックのリサイクル175万キログラム、紙のリサイクル274万キログラム、また38万人もの友人や家族がプログラムに参加したそうである。ロハス人口の増加に大きく貢献していると言える。(喫煙を辞められず、メタボリック症候群の兆候が出始めた私こそ真剣に取り組まなければならないテーマなのではあるが……)
 ウォルマートは商品物流のスケールでも世界で最大級であり、輸送の効率化によるエネルギー(ガソリン)の節減は、サステイナビリティ戦略でも最大のテーマとなっている。帰り車(バックホール)を満載にすべくITを駆使することで最適輸送ルートや混載の可能性を計算し、エネルギーの効率向上に努めている。
 本年1月よりウォルマートは6,000の取引先に対しパッケージ(容器や包装)の小型化を文書で要請している。ウォルマートと取引先はパッケージ・スコアカードと呼ばれる目標数値を個別に設定し、定期的にその進捗状況をチェックすることになっている。容器の小型化は、1台当りの積載量を増やし輸送回数を減少する事によるCO2の排出削減、プラスチック等容器の資材減少など、大きな環境維持効果が見込まれている。ウォルマートは各取引先に5%の小型化目標の達成を要請しており、これにより6,000ガロンのガソリンが削減されることが想定されている。これは自社の販売管理費の削減にも結びつく。
 また、白熱灯の販売を控え、蛍光灯や消費電力の大幅に低い電球の販売を推進している。ウォルマートで取扱う1億6千個の白熱灯を切り替えることで、50億ドルもの家庭での電力消費が節約できるとのことである。

 コンサルタント会社のデロイトによると、サステイナビリティは今後、企業価値を高める最大の要素であり、単なる環境対応ということではなく、企業の存続・成長にかかわる問題だと指摘している。経営者の多くも、サステイナビリティはコンプライアンス(法令の順守)よりもはるかに広い概念であると理解し始めている。企業が持続していくため、必要な利益と持続可能な環境は密接に結びついていると考えるべきだろう。