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サスティナビリティ(36)
愉快なスペインの人達と(2)
更新日:2008年10月20日

    

 突然、バスの中が笑いの渦となった。スペイン語の分からない私には何が起こったのか皆目見当がつかない。これも笑い転げている通訳の方に聞いたら、猥談が始まったとのことである。前夜は遅くまで東京のナイトライフを楽しみ、当日は朝4時半のモーニングコールで早朝の築地市場のセリを見学した後である。我々日本人ならバスの中で居眠りするところを、彼らはイオン柏店までの1時間半、笑い続けていた。何とエネルギッシュな国民なのだろう。
 イオンは「温暖化防止宣言」を定め、2012年までに2006年対比30%のCO2削減を目指し、果敢な取り組みを進めている。そのCO2総削減量は185万トンにも及ぶものであるから、企業を挙げての大プロジェクトといっていいだろう。取り組みの1つとして買物袋の持参運動がある。既に1,000店舗でレジ袋の有料化を実施しているが、これにより本年8月ひと月で25%を超える買い物客がレジ袋を辞退し、200リットル入りのドラム缶2,500本の石油が節約できたとのことである。辞退率が目標である80%になると年間ほぼ10万本のドラム缶が削減できる事になる。現在、景気低迷で石油価格は一時の暴騰から比べると落ち着いたものになっているが、新興国経済の急速な発展に伴う需要増で今後とも価格高騰は続くだろう。その中で、石油資源削減は環境対応だけではなく企業の利益性からも積極的に取り組むべき課題であろう。当日、本社からわざわざ説明に来てくれた社長室渉外部の方は「消費者の理解は高まっており、また社員も一丸になって取り組んでいるので目標達成は可能と思っています」と話されていた。
 イオンの環境への取り組みをいち早く実施に移したのが今回訪れた「ジャスコ柏店」である。店舗正面にはジャスコの大きなマークを囲むように、ソーラーパネルが据え付けられている。化石燃料比率が高い通常電力から、一部でも再生可能な太陽光や風力をエネルギーに代替してCO2排出を削減しようとする試みである。同社は、太陽光発電を2012年までに200店で採用する方針を打ち出しているが、柏店はそのモデルケースである。
 お店の周りは樹木で覆われている。まだ、背丈は低いものの、成長するに従いCO2吸収で近隣地域の環境維持に貢献することになろう。これは、周辺の市民とイオン従業員が一緒になって植樹したとの事である。本年5月17日には岡田イオン名誉会長が先頭にたって、支笏湖で植樹祭を行ったが、同社は(財)イオン環境財団を設立し、国内外での植林活動を推進している。京都議定書の枠組みであるCDM(クリーン・デベロプメント・メカニズム:新興国でCO2排出抑制の事業を行った場合、排出権を与える)を流通業では先進的に活用し、CO2排出権を確保しようとする取り組みである。
 社会貢献、地球環境対策、そして排出権確保による経営基盤の安定。これらのテーマを同社は「イオン温暖化防止宣言」の旗印の下、企業戦略として全社一丸となって取り組んでいる。ジャスコ柏店を訪れ、企業を取り巻く潮目が大きく変わってきているのを感じた。環境対策が企業の最大使命になるとともに、企業が持続的に経営する上での基本的要件になってきている。
本ブログで30数回にわたり書き続けている「サステイナビリティ」が、企業各社の経営方針に一部なりとも組み入れられる事を切に願っている。