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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2019年5月号 群来到来

 春の幕開けを告げるニシンの群来が今冬も小樽沿岸などで見られた。海面を真っ白に染めたこの現象、生命の躍動さえ感じる。メスが海藻に産卵してそこにオスが放精を繰り返す。小樽出身の先輩に聞くと、かつてはそれが積丹半島の方まで広がっていたという。
 当時は漁場の町々には飯場ができ、浜には漁師たちの元気な声が響き渡った。毎日大漁が続き、莫大な利益が生み出された。その先輩によれば背負って運ぶニシン箱からこぼれた魚を拾って売ると結構な小使いになったのだそう。なんともうら寂しいような懐かしい話である。
 現在はそれほどの大漁とはいかないまでもこのところ漁獲量は上昇している。小樽や厚田の朝市をのぞいてみると銀色に輝くニシンが並んでいる。売り込みに励むおばさんは「最近は網にかかる量が増えてうれしいよ。それに良型が多く、身も締まってこれぞニシンだね」と日焼けした顔がほころぶ。
 昭和の後半に始まった資源増大プロジェクトがようやく実った証拠だろう。
 ニシンの料理は多彩だがいまの時期は刺身が最高。生姜醤油で食べるその味はたまらない、ただ寄生虫には注意なので一昼夜冷凍すると無難。痛みが早い魚なので購買する際は、目が鮮度の目安になるので赤味が帯びていないものを選ぶ。腹部が銀色であることも大切。