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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2012年4月号 鯔と銀杏草

 石狩にある定食屋でボラの刺身とギンナンソウのみそ汁をいただいた。いずれも寒い季節が旬で大変おいしかった。ボラ(鯔、鰡)は全国的に分布し、北海道では石狩湾や噴火湾に多く見られ、大きいものは80センチにも成長する。その過程で名前が変わりハク→オボコ→イナ→ボラとなる。仔魚の時は汽水域から淡水の河川に侵入して大きくなると降海して群れになって沿岸を回遊する。
 10年ほど前の話だが、厚田海岸で50センチほどのボラを釣りあげ、その場で刺身にして食べた味はいまだに忘れられない。これぞ釣り人の特権「だから釣りはやめられない。浮世のウサも吹っ飛ぶぜ」と高笑いしたものだ。また、卵巣からつくるカラスミも格別の味で、酒の肴にすると飲みすぎるほどである。
 ギンナンソウは銀杏草と書き、上部が二股に分かれていることからイチョウの葉に似ているので付けられた。また、仏の耳にも似ていることからそう呼ぶ地方もある。北海道に来た当初「仏の耳のみそ汁だ。食え」といわれ、なにやら気味悪かった記憶があるが食べてみたら予想以上のうまさ。磯の香りとヌメヌメした食感は、最高の冬の味覚といっても過言ではない。粘着性が強いことから昔は土壁の糊料に使われたこともあり今では信じられないような話だ。みそ汁のほか酢のもの、野菜サラダの具なども美味である。