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集部日記

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2014-06-02 週刊誌レビュー(5月26日~6月1日)

今週も各週刊誌は“ASKA問題”でにぎやかでした。一週遅れで気を吐いていたのが「週刊現代」6月7日号。「総力取材、どこよりも長い!ぶち抜き20ページ!」と題し、モノクログラビアも含めた20ページの大特集(本当は21ページ)を組みました。「ASKAがハマった『シャブと美女と暴力団』全真相」。とはいうものの、先週発売で同じ講談社の写真誌「フライデー」6月6日号の内容とかなりかぶっていましたが。

先週はASKAと一緒に逮捕された愛人の素性が次々と暴露されましたが、そこに登場したのが人材サービス大手のパソナグループ。今週はそこに切り込む記事が散見されました。「サンデー毎日」6月8日号「『ASKAとオンナ』パソナ代表の奇怪人脈」、「週刊新潮」6月5日号「『ASKAと愛人』出会いの場でもしらばっくれるパソナは上場企業失格!」、「フライデー」6月13日号「仕切りは元財務官僚でプレゼントにお車代、さらに愛人契約話も――ASKAが呼ばれたパソナ迎賓館“淫靡”接待」といった具合です。

一連の騒動をリードしてきた「週刊文春」は、6月5日号で「ASKA転落のきっかけは飯島愛変死と『麻薬性交ビデオ』騒動」と報じ、さらなるスクープを飛ばしていました。見出しとして笑えたのは「週刊アサヒ芸能」6月5日号の「僕はこの瞳で『アンナカ』と嘘をつく、ASKA『はじまりはいつもシャブ』な新愛人との中絶SEX!」。

5月21日、福井地裁は大飯原発再稼働の差し止め訴訟で、主文「大飯発電所3号機および4号機の原子炉を運転してはならない」という判決を下しました。これを受け、フライデーは「司法は生きていた 英断!大飯原発再稼働を差し止めた3人の裁判官」という記事を掲載。一方で、週刊新潮は「『大飯原発』差し止め判決で光が射した出世しない裁判官『第二の人生』」、週刊文春は「大飯原発差し止めは司法の暴走だ!」と真逆の主張を展開。出版社によって原発に対するスタンスが際立ちました。また「週刊エコノミスト」6月3日号は「『地震対策の不備』を指摘、福井地裁判決が上げたハードル」という視点の記事を掲載しています。

その関連で、週刊現代は「顔と名前を全員公開!『おかしな判決』を書いた裁判官はこんなにいる」という6ページの記事を掲載。「可能性はゼロではない」という理由で、推定無罪どころか、何がなんでも有罪に持ち込もうとする裁判官の多いこと。そうした国民感情を代弁する内容です。そこには恵庭OL殺人事件の裁判で、一審で有罪判決を書いた遠藤和正裁判官、再審請求を棄却した加藤学裁判官の顔写真がバッチリ。しかし、この2人、遠藤裁判官は大阪高裁に、加藤裁判官は東京高裁に、それぞれ栄転しました。どうも裁判の世界では有罪判決を書かないと出世できないようです。当然といえば当然なのかもしれませんが、無実かもしれない被告人の人生より自分の人生が優先されるのです。

北海道関連で注目したのは「フライデー」の東京電力・数土文夫会長の記事でしょうか。「税金四兆円投入の東京電力会長が運転手つき高級送迎車で連日ゴルフ豪遊!」の見出しで、73歳の数土会長の日常をスッパ抜き。数土会長は北海道出身ではありませんが、北海道大学工学部冶金工学科を卒業。川崎製鉄に入社し、社長にまで上り詰めました。その後、NKKとの合併会社JFEホールディングス社長、NHK経営委員会委員長なども歴任し、今年4月から東電会長に就任しています。先般まで北大連合同窓会の会長も務め、本誌でもインタビューをしたことがある人物です。「ゴルフはプライベートのこと」(東電広報)と言いますが、東電の置かれた状況を考えるとあまりにも能天気な行動と突っ込まれても仕方ないでしょう。ゲリラ的行動を得意とする雑誌ならではのスクープです。

経済誌に目を転じると「週刊ダイヤモンド」5月31日号は「地銀の瀬戸際、メガバンクの憂鬱」を特集。しかし、道内行については、とくに触れられた部分はありませんでした。「週刊東洋経済」5月31日号は今世紀最大のプロジェクト「リニア革命」を特集。時速500キロ、東京―名古屋間を40分で結ぶ9兆円のプロジェクトです。これを読むと20年先の北海道新幹線に夢などありません。道新幹線は一部のつくりたい人がつくるだけで、国の財政や地元の利便性など、これっぽっちも考えていないと思います。もちろん、ないよりはあったほうがいいのでしょうが、そのためには莫大な借金と取り返しのつかない自然破壊を伴います。果たして、どちらが北海道の未来のためにいいのでしょうか。

東洋経済は、この号から短期集中連載として「社長の器」をスタート。第1回目はベネッセHD次期社長の原田泳幸氏、LIXILグループ社長の藤森義明氏、資生堂社長の魚谷雅彦氏の3人を取り上げています。次週は誰が登場するのか楽しみです。

今週、私が注目した記事は「アエラ」6月2日号の「世襲こそ革新を生む」でしょうか。世襲と言えば、どうしても政治家を連想し、いいイメージはありません。一方で、天皇家も歌舞伎の世界も、競馬も、ある意味、血筋がものをいう世界です。日本に限らないのかもしれませんが、人は血脈が好きなんですね。よくよく考えると、トヨタもサントリーもイオンもミズノもYKKもパナソニックも、日本を代表する企業は世襲で受け継がれています。中小企業を含めると、その数はどれだけになるか想像もつきません。

でも、政治家の世襲は問題だと思います。現内閣を見てみると、安倍晋三総理を始め、麻生太郎副総理・財務大臣、谷垣禎一法務大臣、岸田文雄外務大臣、田村憲久厚生労働大臣、林芳正農林水産大臣、石原伸晃環境・原子力防災担当大臣、根本匠復興・福島原発事故再生担当大臣、古屋圭司国家公安委員長、山本一太沖縄・北方大臣、甘利明経済再生大臣と全19閣僚のうち11人が世襲議員です。ちょっと他国のデータがないのでわかりませんが、これほど世襲議員の閣僚が多い国はそうそうないと思います。これは選挙民の責任です。では、また来週。(鈴木正紀)