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集部日記

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2013-12-13 何様のつもり

しかし、国民もなめられたものです。確かに、ちょっと反対のうねりが遅すぎましたが、それでも多くの人々が異を唱え、デモという行動に出たにもかかわらず、あっさりと秘密保護法案は成立してしまいました。世論調査の結果も、パブリックコメントに寄せられた国民の声も、一顧だにしません。何様のつもりなのでしょう。ここまで驕った政権の姿を見せられると、やはり危惧していた通りのことになったとの思いを強くします。

昨年、安倍晋三さんが自民党総裁になったとき、こういう未来がくるかもしれないことは、ある程度予想はついていました。だから先の衆議院選挙でも、夏の参議院選挙でも、自民党を勝たせてはいけなかったのですが、国民の側に選択肢はありませんでした。民主党は国民から“レッドカード”を突きつけられ、野党といえる野党は共産党と社民党くらいしかなく、有権者は棄権しようが自民党以外の政党に投票しようが、どっちみち自民党は勝ってしまいます。国民の無力感は頂点に達したと思います。

現政権は「民主党より、まだまし」という、めちゃくちゃ消極的理由で誕生しました。それどころか、一票の格差問題でその正当性すら怪しい政権が、こんな法律を成立させていいわけがありません。われわれも認めてはいけないのだと思います。

秘密保護法の次に出てきたのが「共謀罪」の創設です。ここまでくると“いつか来た道”に戻ろうとしているとしか思えません。こんなことで治安が維持できると本気で思っているのでしょうか。目的はまったく違うところにあると思わざるを得ません。恐ろしいほどに歴史に学ばない、世襲ばかりの“おぼっちゃま政治”がまかり通っているのではないでしょうか。

別に世襲がすべてダメだと言うつもりはありません。世襲議員にかかわらず、そもそもいまの国会議員を見ていて、知性を感じられる人がどれくらいいるでしょうか。まったく文学的センスもなく、先達に学ぶ謙虚さもなく、高邁な思想哲学を持っていそうな人もいません。どうしてこんな人たちが政治家をやっているのでしょう。答えは簡単です。誰でもできるからです。

官僚国家というか、従米国家というか、日本は本当に芯のない国になりました。民主主義はまったく機能していません。人類の理想を条文化した、他国がうらやむような憲法を持とうと、それを運用する側に問題があれば、何の意味もないということがよくわかります。

空前のバラまきとなりそうな国土強靭化法案も成立しました。目先の利益しか考えが及ばない恐ろしいほどの鈍感さです。背筋が寒くなります。何を後世に残さなければならないのかという発想が何もありません。津波はまたやってきます。それは500年後かもしれないし1000年後かもしれない。たぶん、どんな堤防をつくったとしても、完全に防ぐことなどできないでしょう。そんなものに何兆円もかけてつくる意味がどこにあるのか。環境も景観も徹底的に破壊します。地震も津波もいつかは必ず起こります。それがわかっているのであれば、こんなものをつくるのではなく、自然はそのままに、もっと別の方法を考えるべきです。決して堤防では解決できないのです。

おのおのは死生観を新たにしなければならないのかもしれません。大災害であれば当然、亡くなる人も出てきます。でもそれは、そういう運命だったのだと割り切るしかありません。もっといえば、それが寿命だった。生あるもの、いつかは絶対にこの世から消える日がくるのですから、あとはその時期の問題だけです。普通に歩いていても、たまたま車が突っ込んできて亡くなる。それが3秒違えば命を落とさずに済んだかもしれません。飛行機が墜落したって、生き残る人は生き残る。たまたま座席の位置で生死のラインが引かれることもあります。もうこれは運としかいいようがありません。こればっかりは天の差配です。受け入れるしかありません。

北海道でいえば「時のアセス」で凍結したはずの日高横断道の復活論が浮上しています。どこまで北海道の自然を破壊すれば気が済むのでしょう。一度、破壊したものは、もう元には戻りません。ダムも一緒です。いまとなっては、北海道新幹線も必要ないと思います。どこかでストップさせなければ、将来に残すべき北海道の財産は次々と失われていきます。いまの大人たちは、まったく未来への責任を果たしていません。

そんな自省の念を抱きながら、また1年が終わろうとしています。でも本誌のほうはすでに新年一色。「財界さっぽろ」2014年新年特大号は明日14日発売。「JR北海道」「アッキー」「ルイヴィトン」「高梨沙羅」「札幌ラーメン」「インフルエンザ」等々の一般記事のほか、毎年恒例の「年男」企画や「MOVE HOKKAIDO」と題した道内経営者126人が語る2014年の展望と抱負など、盛りだくさん。定価は通常月より50円高い800円ですが、絶対損はさせません。明日はお早めに書店、コンビニへ。(鈴木正紀)