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サスティナビリティ(86)
地球を激変させるティッピングポイント(4)エルニーニョ・ラニーニャ
更新日:2010年05月10日

    

  春の訪れが待ち遠しい日々が続いている。先日東京へ出張した日、最高気温は25度を超えたが翌日は10度そこそこ。今年の春の気候は何か変だ。ニュースによると、北極の低気圧が強くなったり弱くなったりする北極変動が悪さをしており、北極に閉じ込められていた寒気が次々と放出されているらしい。この寒気がエルニーニョ現象による暖気とぶつかり、低気圧の活動が活発化しているのが原因とのことである。
 エルニーニョはペルー沖から中部太平洋赤道域にかけ、海面水温が平年に比べて1~2度高くなる現象のこと。これが発生すると太平洋の広い地域で大気と海洋が連動して異常気象をもたらす。この仕組みを調べてみると、次のような順番で発生するそうだ。

   1,通常は、貿易風(東風)が西向きに太平洋に吹いている。
   2,この風によって赤道で暖められた海水が太平洋西部に移動する
   3,太平洋東部には冷たい海水が湧き上がる
   4,これに対し、エルニーニョが発生すると、貿易風(東風)が弱まる
   5,暖かい海域は太平洋中央部から東部に滞留する
   6,したがって東部と中部の海水温が上がり、西部の海水温が下がる
   7,エルニーニョが発生すると、東太平洋の海水温が1~2度上がり、海水温の「西高東低」、
     気圧の「西高東低」により世界各地の大気の流れを変化させる。

 太平洋の赤道東部で海水温がわずかに上昇してもエルニーニョを増幅させるとのことで、1997~1998年には海水温が5度も高まり、日本にも大暖冬をもたらした。
 一方、エルニーニョの反動で発生するのがラニーニャ。これが発生すると日本では猛暑と寒冬になるケースが多いという。
 過去20年間のエルニーニョ・ラニーニャの発生を調べてみると、エルニーニョでは日本で暖冬・猛暑のケースが多いようだ。
   1991年春-1992年夏:暖冬・猛暑
   1997年春-1998年春:大暖冬
   2006年夏-2007年春:大暖冬
   2009年夏-2009年秋:西日本で多雨

 一方で、ラニーニャが発生すると日本では猛暑と厳冬になる傾向がありそうだ。
   1993年夏-1994年冬:大冷夏・暖冬
   1994年夏-1996年冬:猛暑・寒冬
   1998年夏-2000年春:東日本・北日本で猛暑と暖秋
   2005年秋-2006年春:大寒波・大豪雪
   2007年夏-2008年春:猛暑・暖秋・寒波

 昨年から今年にかけての異常気象はエルニーニョと北方震動の合わせ技といわれているが、いずれにしてもわずかな気温上昇が海水温を高め異常気象を発生させる。今、地球温暖化とエルニーニョ・ラニーニャの関連性について関心が高まっており、多くの研究者が取り組みを始めている。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)予測でもそのことを指摘しているし、一般的認識でも地球温暖化によってエルニーニョ現象が強まったり弱まったりするという考え方が多くなっているとのことだ。地球温暖化がこのまま進んでいくとエルニーニョ現象を大規模に発生させ、またその反動としてラニーニャ現象が強まると予想される。その結果として、乾燥・多雨・猛暑・寒波が繰り返し発生し、環太平洋地域の人々に甚大な影響を及ぼすことが考えられる。地球温暖化をこのまま放置しておくと、気候が激変し地球環境を揺るがすティッピングポイント(転換点)になる恐れがある。