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集部日記

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2013-06-14 13回目の6月

今月の28日を迎えると、私が当社に入って丸13年になります。長いような短いような13年でした。でも考えてみると、オギャーとこの世に生まれてから中学1年までが13年。そう思うと結構、長い時間です。実際、子どものころの30分は長かったし、1日がなかなか暮れない感じでした。

あれは小学校の3年生か4年生のころだったと思います。10月初旬でしょうか。知り合いの農家にジャガイモ拾いのアルバイトをしに行きます。それは母親と行ったこともあれば1、2年先輩の友人たちと一緒に行ったこともあります。多分朝7時くらいだったと思いますが、農家のおじさんがトラックで家まで迎えにきてくれます。それに乗って、畑に着くのが8時前くらい。一面、文字通り“北の大地”です。もう茎はありません。機械で起こされて、イモだけが露出している状態です。そんな、とにかくだだっ広いジャガイモ畑にポツンと取り残されるのです。

作業は単純。針金製の網カゴを持って、ひたすらジャガイモを拾うだけ。カゴがいっぱいになれば、畑の中に置いてある木枠の中に入れていく。この木枠は底辺の一辺が1.8メートルくらいの四角推を、高さ1.2メートルあたりで切った台形状のもの(大きさは、かなりうろ覚えです)。その中がイモでいっぱいになると、2人が対面に立ち、お互い木枠についている取っ手を上にあげて、円錐状のイモの山をつくります。そこまでで1つの行程が終了。そして、木枠を移動します。ここらで木枠の中がいっぱいになるだろうというところに設置するのです。

10時に休憩を取るのですが、そこまでの時間が長いのなんのって。もちろん、単純作業をずっと続けているだけだからなのかもしれませんけど、とにかく長い。たかだか2時間。いま朝8時に出勤し、ちょっと作業をしていると、あっという間に10時を過ぎています。もちろん、頭を使う作業と体を使う作業に違いはあるのですが、それよりも年齢による感覚の差が大きいのでしょう。

でも、いまこうして当時のことを思い返して見ると、なんと豊かで贅沢な時間の過ごし方だったんだろうと思います。秋晴れのもと、朝露の湿気を含んだ凛とした朝の空気。深呼吸をすると、酸素濃度の濃い澄んだ空気が肺いっぱいに広がります。そして、ほのかな土とジャガイモの香り。ただただ広い土だけの畑。迫る山はすでに色づき始め、青空とのコントラストが絶妙でした。

秋の夕暮は早く、午後5時前ごろ、迎えのトラックがきます。その間、10時、12時、15時の休憩以外は、イモを拾い続ける。子どもですから、やはり飽きます。子ども同士のときは、さすがに途中で遊んでいたような気もします。それでもイモの山は10個くらいつくっていたように記憶しています。いまの子どもたちは、こんな経験をしようと思ったって、できません。もちろん、しようとも思わないでしょうが、自分の人生を振り返ると、あのころの経験は、いまの人間形成に大きな影響を及ぼしていることは疑いようもありません。

私自身、札幌市内で長らく聞いていなかったセミの声を、昨日(13日)、道庁の中庭で耳にしました。まだ弱々しかったですが、夏の到来を告げているようでした。時代は刻々と移り変わります。弊社の社内体制も若干変わりました。7月の参議院選挙を終えると、国の方向性も変わるのかもしれません。

日本維新の会共同代表の橋下徹氏の従軍慰安婦発言。私自身、これまで橋下さんを支持したことはないのですが、世界からのバッシングには少々、違和感を持ちます。戦争はさまざまな悲劇をもたらします。戦下での性の問題もまさにそうです。非人道的なものの究極が戦争です。それを世界各国で何千年も人類は繰り返しているのです。戦争は勝ったほうが正義になります。原子爆弾を使って大量殺戮をしてもそれが正義になる。こんなバカな話はありません。どちらも悪いはずです。それを棚に上げて「負けたくせに反省がない」などというのもどうかしています。それこそ反省がないのです。だから戦争を繰り返す。

今回の問題は、先の戦争について、日本がきちんとした総括をしてこなかったことに起因しているように思えます。アジア諸国に対する謝罪も曖昧だった。日本はODAなどで金銭的援助をずいぶんとしてきました。当然、謝罪の意味もあったでしょう。ここが日本人の特性でもあるのですが、相手国は“そこは察してくれているだろう”と勝手に思い込む。それで済ませたような気になっているのですが、やったほうは忘れていても、やられたほうは決して忘れない。そこの感覚が鈍くて、いまもそのツケを延々と払い続けているのだと思います。

あまりにも不毛な論議で、あまりにも後ろ向きです。未来志向的ではありません。日本が先手を打つのであれば、憲法9条どおり、本当の意味での不戦宣言をし、自衛隊を海外救助隊にして世界のために働かせる組織にすることです。

これは究極の考え方に違いありません。実現の可能性は1%もないでしょう。しかし、何ごともそれくらいの理想を持って、事に当たらないといけないということだと思います。理想に一歩でも近づけるために何をしなければいけないのか。その思考する能力こそが政治家に求められる資質なのだと思います。

7月21日は参議院選挙の投開票日です。入れる人がいないと思われる人も多いかもしれませんが、投票に行かないという選択肢だけはとらないでもらいたいと思います。ダメな中でも、よりましな人に入れる。それしかありません。7月号では、どこよりも早い各候補者のインタビューを掲載しています。投票の1つのきっかけになればと願ってやみません。明日15日発売の7月号。大谷翔平もいれば、鈴木貴子といった若い面々も登場します。お早めに書店、コンビニへ。(鈴木正紀)