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集部日記

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2012-04-14 国会議員1人当たり1億2000万円…

今年の冬は例年になく厳しかった地域が多々あります。久々の大雪。札幌はそうでもなかったのですが、“雪害”とでもいうべき岩見沢の状況は相当なものでした。音威子府という豪雪地帯が故郷の私からするとあの程度の雪は当たり前で、私が子どものころはもっともっと降っていた気がします。

小学6年から父は単身赴任。いまでいうなら“5LDK”の実家を雪から守るのは私の役目でした。田舎の一軒家ですから、それなりに広い。記憶は定かではありませんが、屋根の雪下ろしは1シーズン3、4回はしたと思います。雪は下ろすだけでは済みません。1階の窓など完全に埋まってしまいますから、採光を確保するため、下ろした雪をママさんダンプで運搬する。敷地は広いので、都会のように雪捨てに困ることはありませんが、その一連の作業を1人でやっていたものです。

毎年、少なくとも1階は雪に埋もれていました。屋根の雪は1メートルくらい積もってから下ろします。それが3、4回なのですから、単純に毎年3、4メートルの積雪があったということです。

それでも自然の営みはすごいもので、春は必ずやってくる。雪解けの雑木林を歩くと、そこは湿地帯のようになっています。水芭蕉が咲き乱れ、ネコヤナギも芽吹いている。いまもその感覚を覚えていますが、清らかな雪解け水の溜まり場にカエルの卵が浮いています。そのプヨプヨのゼリー状の塊を手にすると温かい。その温もりは何十、何百という生命の息吹がもたらすもののように感じました。いまとなって思うと、その溜まり水自体が温かかったのかもしれませんが…。そんな豊かな自然も、政治の愚かさで、いまはなくなっていると思います。

 なにごとも政治のせいにしてはいけないのかもしれませんが、それでも日本の政治はひどすぎます。ここまで劣化が進むと“見事”としか言いようがありません。誰がここまで政治を貶めたのか。究極的には政治家を選んでいるのは国民ですから、国民が貶めたということになるのでしょう。しかし、そのプロセスをつくったのは誰なのか。

働かなくても、国が国会議員を補償するシステムがあります。誰がつくったのでしょう。そもそも他の先進国と比べ、日本の国会議員の歳費(給与)は非常に高い水準です。イギリスやフランスの歳費が年間1000万円未満なのに対し、日本は約2100万円。しかも第2の歳費と呼ばれる文書通信交通滞在費の手当てが月100万円。これを含めると年収約3300万円。それ以外にも3人まで雇える公設秘書の給与として年約2500万円、政党交付金の割り当てが4000~5000万円ほど。また格安の議員宿舎を市場価格に換算して考えると、総計で国会議員1人当たり1億2000万円もの税金が投じられている計算になります。

国会議員なのに天下国家のことを考えてはいけない。「地方を縛るための交付金、補助金の配分に噛ませてあげますから、それ以外の仕事をしないでいただけると、国が高給を保証しますよ」というのが、国会議員と官僚の関係です。

本来の仕事をしないで高給をもらえるのだから、これ以上楽な仕事はありません。本当に厳しい仕事なら、子どもに後を継がせたいとは思わないでしょう。しかし、世襲政治家は増え続けています。政治の劣化に拍車をかけています。これも官僚の思うつぼ。河村たかし名古屋市長の議員歳費削減の主張など変人扱いです。

記者クラブ制度で明らかなように、本来権力を監視するはずのマスコミは、その機能を果たしていません。新聞・テレビの報道は鵜呑みにしてはいけないのです。これはいま始まったことではありません。戦前からそうだったのです。しかし、その反省はありません。

自分でもやっていて、政治報道にこれほどむなしさを感じたことはありません。世の中の仕組みがわかるにつれ、バカバカしくなってしまいます。本当に人類は愚かだということに尽きてしまうのです。

でも「ダメだ、ダメだ」とばかり言っていても何も変わりません。少しは社会に対する影響力もあると自負する職場にいるのですから、自分でできる範囲の行動はとっていきます。信じる道は揺るぎません。

さて「財界さっぽろ」5月号は、本日14日発売です。今号から、地方誌にもかかわらず、著名な筆者2人の連載がスタートします。1人は政治評論家の森田実さん。もう1人は国が隠す“埋蔵金”を公表した元財務官僚の高橋洋一さん。以前にも申し上げましたが、私はものごとをいいほうにしかとらえませんので、今回の連載も「本誌の報道姿勢に共感していただいているから」と勝手に思っています(笑)。創業50年を迎え、ますますパワーアップする「財界さっぽろ」。お早めに書店、コンビニへ。(鈴木正紀)