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サスティナビリティ(84)
地球を激変させるティッピングポイント(2)南アジア地域のモンスーン
更新日:2010年04月20日

    

 先般(3月21日)、西日本を中心に大規模な黄砂が日本を覆った。選抜高校野球もテレビ放送では球場がかすんで見え、関西空港や伊丹空港では航空機発着にも影響をもたらした。黄砂の被害は洗濯物や衣服への付着に始まり、硫酸イオンや硝酸イオンの濃度を高めアレルギー反応を加速させるなどにも及んでいる。春の偏西風の関係で北海道ではそれほどの被害が伝えられていないが、関東以西に住む方々は大変だろうと同情してしまう。
  黄砂は東アジアのタクラマカン砂漠や中国内陸部ゴビ砂漠の黄土地帯で発生し、強風に巻き上げられた粒子が偏西風に乗って日本にも到着する。日本でもやっかいものであるが、飛来経路の中国沿海部や朝鮮半島では日常生活に大きな被害をもたらしている。時には、高さ数百メートルの“砂の壁”が押し寄せ、数十分にわたり昼でも真っ暗になってしまうとのことだ。
 さて、大気中に巻き上げられる黄砂の量に匹敵する砂塵がアフリカのチャドで毎年発生している。チャドはアフリカのほぼ中央に位置し、リビア、ニジェール、スーダンに囲まれ、サハラ砂漠のある国だ。このボデレ低地で発生する砂嵐が、地球を激変させるティッピングポイントの1つとして研究が開始されている。ボデレは、かつてチャド湖につながる巨大な湖があった地域だったが、サハラ地域乾燥化の進行で湖は干上がり、膨大な堆積物と共に砂漠と化している。この大量の砂は、毎年11月から3月にかけて吹く貿易風(ハルマッタン)により西アフリカ一帯の諸国に砂塵を降らせ、さらに地中海から南米のアマゾンにまで到来する。 この砂塵は太陽光を遮り、ある地域では気温を低下させ、ある地域では降雨や温暖化がもたらすという調査結果がでている。
 オックスフォード大学のワシントン教授によると、ボデレ地域から発生する砂塵の量は地球を取り巻く大気のわずかな動きでも大きく変化し、シミュレーションによると21世紀にきわめて大量に発生する可能性がるとのことだ。では、わずかの変化とはどのようなものなのだろうか。
地球温暖化が進んでいくと赤道付近の日射がさらに強くなる。上昇気流が勢いづき、それが下降気流となって地表面に吹き付ける貿易風が一層強まることになる。これによりボデレに吹きすさぶハルマッタンは、より多くの砂塵をより広範囲に運ぶことになる。また、人口急増による食料不足から森林伐採が続くと、砂漠化が進行し多量の砂塵を発生させることも考えられる。世界を覆う砂塵は、珊瑚礁やアマゾンの熱帯雨林へも影響を与え、生態系に甚大な影響をもたらすことになるだろう。
黄砂とボデレの砂塵が同時にかつ大規模に発生した場合、それはまさに地球環境を揺るがすティッピングポイント(転換点)になる恐れがある。""""""