「情報を先取り、タブーに挑戦」を編集方針とし、生活者・企業経営者に
最新かつ有益な情報価値をご提供する、北海道の地域政治・経済誌

ロゴ

トップページ > 編集部日記

集部日記

このエントリーをはてなブックマークに追加

2011-05-14 あくなき挑戦

例年よりちょっと遅い感じですが、札幌も桜吹雪舞う季節となりました。

自転車通勤の私は朝の8時ごろ、中島公園の中を会社に向かって走ってきます。かすかに凛とした夜気の余韻が残る公園。薄紅色の無数の花弁が舞い散る風情は、神々しくもあり、清々しくもあります。

そんな風景は昨年と同じなのですが、今年はちょっと違っているところがあります。桜をバックに記念撮影に興じながら、朝の散歩を楽しむ中国人観光客の姿が皆無なのです。そこかしこから聞こえていたはずの中国語を、まったく耳にしない。東日本大震災から2カ月。まだまだ北海道観光に復調の兆しは見えてきません。

1年前といえば昨年の5月11日、私は実質的に弊誌編集長の任に就きました。月並みな表現で恐縮ですが、本当に“あっという間”の1年でした。年を負うごとに月日の流れは早く感じるものですが、それにしてもこの1年は、これまでの比ではなかったように思われます。

私の代になってから早12冊。正直なところ、まったく実感がありません。毎号、取材と編集作業に追われ、息つくひまもなく次号へ突入。一冊一冊、編集人として、一記者とはまったく違った苦労をしながらつくり上げたはずなのに。不思議なものです。

……でも、その理由は、本当はわかっています。

本誌に対して、読者の方々には、いろいろな感想があるでしょう。突っ込みが足りないとか、昔のほうが迫力があったとか、毒がないとか。歯がゆく感じてらっしゃる人もいるかもしれません。私自身も、そう言われることがあります。非常に的確なご指摘だと、ありがたく受け止めております。

「そんなこと認めてどうすんだ」と怪訝に思われる人もいるでしょうね。でも私は、ものごとを悪く考える思考は持ち合わせていません。何でも前向きにとらえます。自分に都合のいいように解釈します。だから何を聞いても大丈夫なんです。しょせん、相手の本心なんか誰もわかりません。わからないものに対して、くよくよ悩んでいても仕方ない。自分が前向きにとらえるか、後ろ向きにとらえるか、それだけです。

ただ、現在と過去を単純に比較されても困ります。そもそも時代が違う。記事を書く記者も違えば、媒体の数や種類、情報に対するアクセスの仕方もまったく違います。そうした環境の中で、われわれ編集部一同は戦っています。少なくとも“現有戦力”で「常に最高のものを世に問うている」という自負はあります。編集人として、日々ギリギリの決断を迫られながらも、そこに妥協はありません。

それが本当に自分のつくりたかった本なのかといえば、必ずしもそうではありません。やはり理想とは大きな隔たりがあります。それこそが12冊もつくりながら、いまひとつ実感の持てない理由なのでしょう。では理想の1冊ができてしまったら、やることがなくなってしまうのか。そうではないでしょうね。理想に上限はありませんから。

一歩でも、半歩でも、記者一人ひとりが思う理想の本に近づけるよう努力する。「財界さっぽろ」のあくなき挑戦は続きます。ぜひ応援してください。

本日14日が6月号の発売です。今月も注目の記事が目白押し。いますぐ書店、コンビニへ。(鈴木正紀)