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サスティナビリティ(12)
ニューヨークの環境事情
更新日:2008年02月19日

    

  今年のニューヨークは雪こそなかったが、相変わらずの冷たい風がビルの間を吹き抜けていた。1月13日から4日間、全米小売業大会に参加するためニューヨークへ行ってきたが、この機会を利用して、サブプライムローンを引き金に景気後退が喧伝されている様子を見てみようという気持ちもあった。
 ところが実際には、予想に反し、五番街・タイムススクェアは人であふれかえっており、むしろ熱気さえ漂っていたのである。地方からのお上りさんや中南米からの観光客が多くみかけられ、過去10数年定点観測で毎年訪れている中では、最も活気のあるニューヨークであった。
 このような賑わいを大いに歓迎する気持ちが湧いてきた一方で、物価がさらに上がっているのには閉口してしまった。ホテル料金はおしなべて1泊400ドルを超えており、ようやく見つけた150ドルの部屋ではワイヤレスLANのシグナルが極端に弱くインターネット接続に苦労し、また20分以上待たなければシャワーのお湯が出てこない有様である。高級百貨店のバーグドルフ・グッドマンが珍しく特売していたのでそのシャツを手に取ると、なんと550ドル(値引き後!)の値札が付いていた。タバコは1箱8ドル50セントで日本の3倍であるほか、あらゆる物の価格が高騰していた。

 ところで、ゴア元副大統領の取り組みの効果もあってか、米国でも環境問題は大きなテーマとなっているものの、ブッシュ大統領とオバマ候補の主張の差のように、あちこちでチグハグな点が散見された。例えば、街を走っている自動車は年々小型化し、特にレクサスを筆頭とした日本車が半数を超える勢いで、イエローキャブと呼ばれるタクシーにも、ガソリン高騰の影響もあってか、多くの日本車が採用されていた。かと思えば、街のあちこちでガソリンをばらまく大型リムジンがこれみよがしに走っている光景も目についた。
 また喫煙に関しては、米国でも厳しく制限されていると報道されており、愛煙家の私など海外へ行くというと「大変ですね」と言われるが、実際厳しい喫煙制限は空港・レストラン・その他ビルの中だけであり、外は巨大な灰皿と化している。その一方で、米国で生活した娘が「アメリカ人にはゴミの分別は絶対に無理」とよく言っていたが、最近はそれが開始されているなど、こちらも、その動きには統一感が感じられなかった。
 ただ、食に関しては、市民の安全・安心に対する意識が年々上がっているように見受けられた。今回も訪れたホールフーズ・マーケットというスーパーでは無農薬のオーガニック野菜が人気を集め、500平㍍ほどの野菜売場は新鮮な食材が山のように積まれ、多くの買い物客で賑わっていた。また、ニューヨーク州を地盤にしている有力スーパー、ウエグマンズが本年よりタバコの販売を止めると発表し大きな話題となっていた。

         タイムススクェアの騎馬警官(後ろに馬糞が)
そんな中、観光客で賑わうタイムススクェアで、“ちぐはぐさ”を象徴する面白いものに出会った。写真に写っている騎馬警察官である。化石燃料を全く使わない(当たり前ではあるが)交通手段を使っている一方、当の馬は気持ちよさそうに馬糞を道路に落としていた。数十年前の札幌の馬糞風が思い起こされた。環境とは何と難しい問題であろうか。ただ、ちぐはぐさはあるものの、総じて、あの米国でも環境への取組と消費者意識が着実に変化している様子がうかがわれた。

 次回は、米国小売業各社がどのように環境問題に取り組んでいるかを報告したい。