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2011/02/14(月) 札幌市のサピカに関する報道について

 札幌市が鳴り物入りで導入したICカード「サピカ」について、表題の告発文が郵送されてきた。以下全文。


 自分は、電子マネーを活用した社会インフラの検討、システム構築にかかわってきた者です。昨今、札幌市が発表し幾度か報道されておりますICカード・サピカに関する内容で、いささか納得行かず書かせていただきました。

 札幌市のアナウンスの内容では、「札幌市民の利便性のみならず国内外から札幌を訪れる人のためにも、利便性を高めた国際都市としてJRが進めるキタカ等、スイカ方式の他ICカードがサピカと同様に利用できるようにする」といった内容になっています。
 この札幌市のアナウンスは過去の判断ミスを認めず、いかにも国際都市としての利便性を高めるべく対応するかのような内容です。確かに他ICカードとの接続により利便性は格段向上し歓迎すべきことですが、多額の税金投入が必要となる現実があります。それは、過去の札幌市の三セクであるSNET(札幌情報センター株式会社)と札幌市の恣意的ともいえる判断ミスに起因するのが事実です。
 札幌市はSNETを通じ、サピカ導入前に地下鉄でSMAPという名前でICカードの購入試験を市民モニターを募っておこないました。この実験にシステム開発や人件費で多額の費用がSNETに投入されました。
 サピカの源流ともなるこのSMAPカードの実験をした時には、既にJR東日本のスイカが実質的にデファクトスタンダードとなっており、全国各都市の交通インフラは、まずこのスイカに使用される技術(方式)導入を図り、交通インフラの整備が進んでいました。各社は同一方式のため、その後の展開でJR東日本のシステムと相互接続を図り、関東から九州までJR、私鉄のほとんどで相互利用が可能となり、さらには自販機や飲食店、小売店舗の決済系にも利用が拡大されています。

 当時、札幌市は将来的に市民へオリジナルサービスを提供するためとして、独自方式の採用に拘りスイカを無視する形でサピカをスタートさせました。
 ICカードにかかわる業界メンバーは、札幌市の独自方式には異論を唱えましたが、札幌市は耳を傾けず押し切りました。スイカ方式を採用するとSNETがかかわれる領域が減ることもSNETが札幌市に独自方式採用を推奨した理由の一つと思います。
 その結果、サピカは世の中の流れから孤立し札幌市の地下鉄でしか利用できないという不便さで普及率も現状の通りです。また、独自方式のため決済系に利用する場合は、単純にICカードのデータをやり取りするだけのリーダー・ライターすら一般的なものが利用できず別途多額の開発費用がかかります。
 全国に普及しているスイカ方式対応の機器は、各メーカーから製造され量産効果と競争原理も働き安価になっていますが、サピカ対応機器は開発をメーカーに依頼しても札幌市でしか利用できず販売数も少なくなることから、多額の開発費をかけても対応してくれるメーカーがほとんどありません。機器に限らずシステム全体の開発に膨大な費用がかかります。そのため、全国レベルでサピカは全く認識もされず、インフラ・決済系、メーカーからも相手にされていません。
 札幌ドームでサピカによる電子決済ができるようになり開発が進められていますが、スイカ方式ならば本来なにも必要とならないはずの費用がかかり、またそこで多額の税金が投入されます。
 しかもサピカの決済では、必ずSNETが管理するサーバーを経由しなくてはならず、利用する上でも余計な対応・費用が必要となるため、決済系でサピカを相互利用できるようにする店舗は将来的にもごく限られた数になるものと思われます。

 元々、この業界ではサピカの独自方式がダメな事は明白でしたし、進言も多々ありましたが、札幌市とSNETが無視してきたものです。それが、現在に至って国際都市としての利便性向上のためにと銘打って税金を投入して、片方向といえどもキタカも利用できるようにするとアナウンスしているのは全く詭弁です。そもそも、国際都市としての利便性を考えているなら、最初から独自方式を導入すること自体が矛盾です。札幌市は、キタカ乗り入れを可能にするため税金を投入するのですから、自らの否を認めもっと市民に正確な情報を伝えるべきと思います。

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