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よもやま話

阿部 明
昭和14年12月生まれ
37年スポーツ新聞社に入社、高校野球などの一般スポーツほかプロレス、競馬、釣り記者を経て現在に至る。記者歴37年。北海道スポーツ記者倶楽部会友。

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2020年4月号 ひじき

 樹木の枝先がふっくらと膨らみ、心待ちにする春の到来ももう間近。海でも岸壁のあちこちに海藻が芽生え出した。そんな中にひじきやわかめの若葉を見つけることができる。地上より一足早く春がやってきているのだろう。
 ひじきは古き奈良時代から海藻として食べられてきた。漢字で「鹿尾菜」と書くが海の植物なのに鹿の尾とはいかにと思いきや、実に鹿には尾はなく、その部分にある黒い毛がひじきの形に似ているからなのだそう。また、岩肌に生い茂るひじきがまるで敷物に見えることから「ひじきもの」ともいわれる。ほかにも乾燥したひじきはちりちりで下手な文字を「ひじきの行列」と評したとか。
 こんぶやわかめは養殖が盛んだが、ひじきは100㌫天然もの。これを浜の人たちが岩場に張り付くようにして採取する光景はおなじみ。ただ生のものは固い上に渋みがあるので天日干しで乾燥させて食べるのが基本。カルシウムや鉄分が多く含まれ、しかもノンカロリー。生活習慣病予防には打ってつけの食品。
 同じように陽春の季節に成長していくのがわかめ。こちらはひじきと異なり、上に上に大きく伸びていく。摘むのではなく鎌で刈るように採るのでわかめ刈りといって春の風物詩になっている。漢字では若布、和布と記すが「布」を用いたとは心憎いほどぴったりの表現である。