カネシメが創業100周年記念式典・祝賀会を開催
道内水産卸大手のカネシメ髙橋水産を中核とする「カネシメホールディングスグループ」(本社・札幌市、髙橋清一郎社長)が4月12日に創業100周年を迎えた。同23日には札幌パークホテルで記念式典と祝賀会を開催し、国会議員や水産業関係者など約350人がお祝いに駆けつけた。
次の200年に向けた 社会貢献や寄付を実施
カネシメホールディングスグループは、1924年に「魚問屋髙橋松吉商店」として創業以来、札幌市民の食生活を支え続けてきた。特に中核の「カネシメ髙橋水産」では、道内各地の水産物に加え200海里漁業規制以降は、他社に先駆けて海外からの輸入に注力。近年は道産ワインなどの海外輸出の新会社も設立している。
4月23日の記念式典・祝賀会で挨拶に立った5代目社長の髙橋清一郎社長は、この100年の間に第二次大戦やバブル崩壊、リーマンショック、新型コロナパンデミックなどの困難を乗り越えてきたことに触れ「100年は通過点、グローカル企業となって次の200年を目指す」と挨拶した。
また100周年記念の社会貢献事業として、水産資源を守るため「カネシメ海につながる森」と題した植樹プロジェクト始動や、60周年を迎える「髙橋水産吹奏楽団klingen」が11月3日に札幌コンサートホール「キタラ」で無料演奏会をおこなうことが発表された。
また寄付も行った。北海道に対しては「ワイン事業」、札幌市に対しては「札幌圏の人づくりプロジェクト」にそれぞれ100万円の目録を渡し、感謝状が贈られた。
来賓祝辞では、三橋剛副知事と秋元克広札幌市長が登壇したほか、坂本哲志農林水産大臣や麻生太郎自民党副総裁がビデオメッセージを寄せた。
循環型経済で地方創生と道経済を活性化
会場の耳目を集めたのが髙橋清太取締役執行役員による「未来への宣言」だ。同社では、新年度からサステナ〝ブルー〟コンソーシアム北海道を立ちあげる。
これは持続可能な資源管理や水産業のDX、流通の合理化、代金決済の合理化の4分野を推進することにより北海道水産物の循環型経済を実現するというもの。これにより、地方創生と北海道経済の活性化も成し遂げるという壮大なプランだ。
次世代の舵取り役を担う髙橋取締役執行役員は「北海道から水産業の未来をつくっていきます。多くの皆様のご協力と参画をよろしくお願いします」と力強く宣言。会場は盛大な拍手に包まれた。
引き続き行われた祝賀会では、髙橋松一郎会長が開会の挨拶。入社2年目に200海里規制がスタートし、水産資源の輸入のため海外に出向いたエピソードなどが語られた。
また来賓では、中村裕之自民党道連会長や津山博恒北洋銀行頭取が登壇し、国内水産大手のマルハニチロ(本社・東京都)の半澤貞彦副社長も駆けつけたほか、カネシメとともに道内水産卸3強を占める2社のトップも来場した。
乾盃の音頭を取ったマルスイホールディングスの武藤修社長は「〝戦友〟として祝盃を上げたい」と挨拶。キョクイチホールディングス(本社・旭川市)社長の角谷靖一般社団法人北海道卸売市場協会代表理事会長が締めの挨拶を担った。
左から髙橋清一郎社長、髙橋松一郎会長、髙橋清太取締役執行役員
左から中村裕之自民党道連会長、津山博恒北洋銀行頭取、半澤貞彦マルハ二チロ副社長、角谷靖北海道卸売市場協会代表理事会長