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Interview

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冬季オリ・パラ招致実現に大切な1年掲載号:2020年3月

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岩田圭剛 札幌商工会議所会頭

札幌商工会議所の岩田圭剛会頭は、昨年11月に再任された。今期の活動テーマは「チャレンジ!!札幌」。2030年の冬季オリンピック・パラリンピックの招致活動から経済活性化策など、岩田氏に2期目の抱負を聞いた。

世界に札幌の街並みを知ってもらう

昨年11月1日、札幌商工会議所37期がスタートした。会頭に岩田圭剛岩田地崎建設社長が再任。副会頭は大槻博北海道ガス社長、勝木紀昭北海道エネルギー社長、紫藤正行大黒自工社長、柴田龍北洋銀行副会長が引き続き務め、加藤欽也昭和交通社長、大谷喜一アインホールディングス社長が新たに選任された。以下、岩田氏との一問一答。

   ◇    ◇   

――1月28日、札幌市が2030年冬季オリンピック・パラリンピックの国内候補地に正式決定しました。岩田会頭は冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会の会長を務めています。

岩田 冬季オリ・パラの招致活動が、正式にスタートしたという感じです。30年の開催地の決定が、23年よりも少し早くなるのでは、という感触も得ています。商工会議所内に「オリパラ招致推進特別委員会」を新設しこれまでの活動を加速させる形で、招致実現に向けて取り組んでいきます。

――2月16日には「さっぽろスノーフェスタ」が、大通公園で開催されます。さっぽろ雪まつり終了後の雪をコースに使用し、大通公園周辺の公道も利用し、小中学生対象のジュニアのクロスカントリースキーの大会などが実施されます。オリ・パラ期成会も同イベントの実行委員会のメンバーです。

岩田 札幌市内中心部でクロスカントリーの大会が実施されるのは初めてのことです。ジュニア大会が終わった午後には、市民に歩くスキーのコースとして開放されます。冬のスポーツを身近に感じ、体験をしてもらう。北海道のウインタースポーツ復活の契機になればいいかなと思っています。これからは冬季五輪招致に向けて、市民の盛り上がりも欠かせません。招致の機運を高めることが、われわれに課せられた役割です。当日、私もみなさんと一緒にスキーで滑る予定です。

――今年夏には、札幌で東京2020のマラソン、競歩、サッカーが開催されます。道民がオリンピックを身近に感じられる大きな機会です。

岩田 世界中に札幌の街並み、すばらしさを知ってもらう絶好の機会です。

冬季オリ・パラ招致に向けて札幌のまちはすべて動きだしている中で、東京2020のマラソン、競歩、サッカーの開催は、大きなチャンスをいただいたと思っています。

これらの競技をしっかりと成功させて、札幌の運営能力もIOCに評価をいただく。われわれ商工会議所も、大会成功のために全力で協力していきます。今年は冬季オリ・パラを実現させる意味でも、極めて重要な1年だと考えています。

「さっぽろ大通ビアガーデン」が予定通り開催できる方向になり安堵していますが、マラソン、競歩の開催の規模感がつかめていません。

たとえば、ボランティアの数も正式にわかりません。警備員(ガードマン)が足りなくなるといわれています。大会期間中、市内で進められている再開発工事などもストップせざるを得ないかもしれません。

東京2020の組織員会が札幌開催に向けて動きはじめたばかりなので、しっかり情報交換を図りながら、対応していきます。

SDGsの啓蒙活動に力を入れる

――札幌商工会議所の経済的な取り組みを教えてください。

岩田 前期の3年間は、「パワーアップ札幌」を掲げて活動してきました。札幌には道内人口530万人のうち、200万人が集中しています。札幌が元気でなければ、地方も元気にならない。それは札幌の一人勝ちという意味ではありません。緩やかな景気回復の中で、都心へのアクセス道路建設のメドもたちました。新幹線駅を含む札幌駅周辺整備の再開発の動きも見えてきました。

再開発で札幌のまちが動き出しており、これらの大規模設備投資は、すべて30年に向けた動きです。こうした流れを確固たるものにしていくことが、今期の役割だと思っています。今回の37期は「パワーアップ」に加えて、未来に向けたことに挑戦する3年間にしたい。そこで「チャレンジ!!札幌」というフレーズを掲げました。

――未来に向けてという意味では、SDGs(持続可能な開発目標)の活動にも力を入れています。岩田会頭は11月1日の臨時議員総会の挨拶で、商工会議所制度の創設者とされる渋沢栄一氏の名前をあげ、「渋沢翁は、500の企業の設立に関わっています。同時に道徳経済合一説で約600の教育福祉の機関、社会事業に取り組んできた。まさにSDGsの取り組みそのものだった」と話しました。

岩田 SDGsは商工会議所が率先して、取り組んでいかなければいけない問題です。実はすでにSDGsに取り組んでいるのに気がついていないケースが多いんです。地球温暖化に代表される気候変動も叫ばれ、これまでにない甚大な災害も起きています。持続可能な社会にしていかなければなりません。

今期は商工会議所内に「SDGs推進特別委員会」を設置し、会員のみなさまに幅広く啓蒙活動をおこなっていきます。

――北海道新幹線の札幌延伸が30年度に予定されています。1日でも早い開通が臨まれます。

岩田 札幌商工会議所として、早期の延伸促進活動は、今期も継続して展開していきます。できれば29年度までには開通してもらいたい。札幌でのオリ・パラ開催が決まれば、そうした流れになるのではないでしょうか。

会員数が2万社、全国3番目の規模

――会員である中小企業への支援策については。

岩田 札幌商工会議所では、経営指導や融資のご紹介などに取り組んできました。事業承継に頭を悩ませる経営者も少なくありません。いわゆる後継者問題ですね。この先はM&Aだとか、起業家の支援にも力を入れていきたい。そして一番の課題は人材の確保と育成です。人手不足が業種を問わず深刻になっています。

札幌商工会議所は全国で唯一、付属の専門学校を持っています。スペシャリストを育成し、社会人教育にも取り組んでいます、卒業生の就職率も高く、各方面で活躍しています。

――道内の学校を卒業した若者が、道外に流出する流れがあります。

岩田 大きな問題です。時間がかかる取り組みですが、今期はキャリア教育の仕組みをつくりました。新たに「キャリア教育特別委員会」を設置し、子どもたちに地元の仕事、企業に興味、親しみを持ってもらいます。将来的な「Uターン」や「Jターン」につながっていくのではないでしょうか。

――今年1月には道内7空港が一括民営化されました。

岩田 空港を一括運営する北海道エアポート(HAP)は、30年後に7空港の路線数を2・2倍、旅客数を1・6倍とする意欲的な目標を掲げています。

まず、空港民営化は地域活性化のためにやるんだという認識が必要です。そういう意味では、新千歳空港が魅力的に映っていますが、道央圏にかたまっている観光客需要を、いかに地方まで波及させるのか。そうした施策を一体的にできるので、民営化は大きな起爆剤になるはずです。

――札幌商工会議所の会員数が昨年末で2万社に回復したそうですね。

岩田 おかげさまで、われわれの地道な活動を評価していただいたのではないでしょうか。札幌商工会議所の会員数は東京、大阪に次ぐ全国3番目の規模です。今後も会員の皆様にいかに貢献できるのかを考えて、さまざまな施策に取り組んでいきたい。

――本日は大変お忙しいところ、ありがとうございました。

=ききて/前田圭祐=