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集部日記

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2012-10-15 3つの約束

自分で言うのもなんですが、私は非常に楽観主義者です。どんな苦境に陥っても「何とかなるだろう」と思う性質です。そんな私も「これはもうダメかな」と思うことがあります。それはこの国のことです。というより、この国の体制といったほうがいいでしょうか。大の楽観主義者の私がそう思うくらいですから、相当ひどいところにきていると思います。

どうしてここまで無責任な人が、国政いたり、組織のトップにいたりするのか。単純に人材不足といってしまえばそれまででしょうが、決して人材がいないとは思えません。そういう人材を引き上げられないシステム、文化に問題があるのだと思います。

まず、責任をとれない人ばかりです。とくに政治は結果責任です。国民との約束だったマニフェストの内容が、いまや総崩れの民主党。野田佳彦代表以下、全員次の選挙には出られないくらいの制裁が、本来であれば必要だと思います。そもそもマニフェストは本当にウソだったのか。私はそうは思いません。やる気になれば全部できたと思います。衆議院で300以上の議席を確保したのです。どんな法律でもつくれました。でも、やらなかった。それがアメリカの意向なのか、財務省の意向なのかわかりませんが、単純にそれだけのことなのです。

何かを変えるということは、膨大なエネルギーを必要とします。変えたくない者、既得権者の抵抗はものすごい。それは想像を絶するものなのかもしれません。でも、それをやらない限り、日本は浮上しないのも明白です。現体制を破壊するのは並大抵のことではありません。強い信念と決断力、ズバ抜けた行動力、同志を募る情熱、人々を説得する真摯な姿勢、そういうものがなければ成し得ないでしょう。さて、いまの国政を見て、そんな人はいるでしょうか。解散・総選挙が近いといわれても、国民の側に選択肢はありません。暗澹たる気持ちになるばかりです。

私には子どもが2人います。上は高校3年生の男、下は中学2年生の女です。もう15年くらい前のことになるでしょうか。上の子と「3つの約束」をしました。もちろん、いまだって生きています。いたって単純です。あげてみましょう。「ものを大切にすること」「ウソを言わないこと」「何でも一生懸命やること」――自分で守れたためしもないのですが、約束した手前、実践してきたつもりです。当たり前のことですが、みなさんはどうでしょう。

「ものを大切にすること」。高度成長時代には大量消費が美徳とされるような風潮すらありました。物質的に豊かになったわれわれは、モノを粗末に扱いすぎていると思います。それは命にも通じています。あまりに軽い命。食べるということは他の命を奪って自分の血肉にしているということですが、命に対する敬意も感謝もありません。人間同士も殺し合いをします。モノだって、最初からその形で存在するわけではありません。いくつもの手がかかってそこにあるのです。その苦労を考えると、とても粗末には扱えません。そういうことを子どもたちにもわかってほしいと思ったのです。

「ウソを言わないこと」。これも当たり前のことです。世の中に“ついてもいいウソ”がないとは言いません。しかし、原則としてウソはいけない。1つのウソは、次のウソを生むことになります。ウソをついて最終的に苦しくなるのは自分です。信用もされなくなります。ウソのない自分を生きるというのが、いちばん幸せだと思います。

そして「何でも一生懸命やること」。遊びでも勉強でも、たとえ嫌なことでも、とにかく一生懸命やる。そうすることで見えてくるものがあります。ダラダラやっていたり、適当にやっていたのでは決して見えてこないもの。それはあると思います。これは自分の経験上、とにかく一生懸命ものごとにあたらないと道は開けないということがわかっているからです。

上の子が囲碁をやっていて、負けるたびに取り乱すものですから、勝負の3原則を授けたこともあります。小学校低学年のころだったと思います。多すぎても覚えられないので、3つくらいがいい。こちらも非常に単純です。「おごらず、ひるまず、あなどらず」。慢心しないように。相手を恐れすぎず、また場の雰囲気にのまれないように。どんな格下の相手でも油断しないように。これで勝率がアップしたかどうかは不明ですが。

話が逸れました。先の3つの約束ですが、約束というより、人間として当たり前のことを、子どもたちに言い聞かせたに過ぎません。国政にいる人間は、こんな当たり前のことすらできているとは思いません。質が悪すぎます。

どうしたらまともな人間ができるのか。その1つというか、それがすべてと言ってもいいのかもしれませんが、教育の問題に行き着きます。本日発売の財界さっぽろ11月号では、北海道の最高学府である「北大」についての大特集を組んでいます。さまざまな視点から北大を“解体”し、いま教育に求められているものは何なのかを徹底追究する、意欲的な特集に仕上がりました。お早めに書店・コンビニへ。(鈴木正紀)