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集部日記

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2014-07-22 週刊誌レビュー(7月14日~7月20日)

今週も号泣会見で一躍“時の人”となった野々村竜太郎前兵庫県議についての続報が、各誌面をにぎわせています。週刊プレイボーイ7月28日号は「まさに超タナボタ!“号泣”会見の野々村氏が兵庫県議に当選できたワケ」、週刊アサヒ芸能7月24日号「号泣県議・野々村竜太郎が女性職員を“ポア”した『呪術師』闇素顔!」、週刊大衆7月28日号「直撃記者が打ち明けた!!「宇宙パワーで呪い殺してやる」号泣男野々村県議の『ヤバすぎる正体』」といった具合です。そもそも、なぜこうした人物が当選できたのか、誰もが疑問に思うところ。そこに答えるとともに、新たな過去の奇行も暴露されています。

この一件で「政務活動費」がクローズアップされました。道議会などではいまも「政務調査費」と呼んでいますが、2012年に地方自治法が改正され「政務活動費」という名前に変わっています。同法第100条に、議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として条例の定めるところにより公金を交付していいという法律があります。以前からこの金は「第2の議員給与」と批判され、不正受給が問題とされてきました。ちなみに兵庫県議の政務活動費は月額50万円です。週刊ポスト7月25日・8月1日号は「地方議員は気楽な稼業ときたもんだ 号泣県議を堂々と批判できない同業者たちの真実」、週刊東洋経済7月19日号「号泣県議だけじゃない!使途は灰色『政務活動費』」、サンデー毎日7月27日号「エロ本購入、私的旅行、メロン貯蔵庫…『何でもアリ』政務活動費」、週刊アサヒ芸能「何もしなくても1期で6000万円のウハウハ楽園生活 地方議員は『やりたい放題』で本日も税金吸わせてもらいます!」、週刊SPA!7月22・29日号「これで幕引きにするつもりか!?“ののちゃん”(号泣議員)予備軍は全国にいる!」と政務活動費のずさんな運用を各誌厳しく指摘しています。

そもそも都道府県議会議員にもなると議員報酬(月額報酬×12+期末手当)だけで、東京都は1660万3050円、最低の沖縄県ですら1165万5000円を支給されています。それに政務活動費(支給額1位の東京都720万円から最下位の徳島県240万円)がプラスされます。野々村氏の兵庫県議の場合、1期4年務めると6000万円の収入があるのです。何の能力もなく、昨日まで無職だった人でも、当選さえしてしまえば年収1500万円の高給取りです。

議員の仕事の1つは行政のチェック機能ですが、そうとう勉強していなければ務まりません。税金の使われ方が適正かどうかを厳しくチェックする立場です。重要な仕事です。しかし、そんなリテラシーのない人が大半ですから、役所の理論に丸め込まれておしまいです。もう1つの仕事は法律をつくることです。地方議員であれば条例です。地域のためになる条例を議員立法でつくれるはずですが、そんな話を聞いたことがありません。

ここが日本のダメなところなのでしょう。“お上”に逆らっちゃいけない、“お上”に任せておけば大丈夫といった古来の日本文化があり、そこに戦後導入された民主主義も、先述の文化から本来の民主主義とはかけ離れた“お任せ民主主義”になっています。こうなると役所のやりたい放題です。日本は議会制民主主義の国ですから、議員が役所をコントロールしなければなりません。09年に政権をとった民主党が「政治主導」といっていた意味はまさにそこです。しかし、日本の官僚主導の政治は、明治の時代から現在も続いています。戦後民主主義もすでに70年がたとうとしていますが、何も変わっていないのです。

官僚主導を維持するためにはチェック機能があっては困るわけです。ただし、あくまで日本は表面上、民主主義の国なのですから、公務員が国民を支配していてはいけません。アリバイ的に公務員をチェックする形だけはつくっておく必要があります。それが議会であり議員です。国民の投票で選ばれた議員が税金の使い方を決めたことにしていますが、その議員をコントロールしているのは官僚です。官僚にしてみれば議員に能力があってもらっては困るのです。バカな人に議員になってもらったほうがいいのです。議員を取り込むためには何が一番手っ取り早いか。地位と名誉と金です。「地位と名誉とお金を差し上げますので、議員の仕事はしないでください」。これが日本の政治です。

本来の仕事をしないのですから議員の数は大幅に減らすべきです。そして、過大な報酬や利権が絡むと、政治が家業になったりします。日本の異常な世襲議員の多さが、その証左です。議員報酬も大幅に減額です。公の仕事をするわけですから基本はボランティアであるべきです。そうは言っても閣僚などになれば国会に拘束され、外遊にも出なければならないわけですから、国会議員であれば最低の賃金保証はしなければならないでしょう。それでも現状の3分の1でいいのではないでしょうか。地方議員はもっとボランティア的要素を大きくしてもいいと思います。

なる人がいない? そうは思いません。本当に国のこと、地方のことを考えている人がなるだけだと思います。結局、日本を変えようと思えば政治を変えるしかないわけです。たとえば「公務員の天下りを禁止する」という法律がつくれます。各省庁の天下り団体は無数にあります。そこに10兆円とも20兆円ともいわれる予算が流れています。いつまでもこんなことを許しておく謂れはありません。官僚は「職業の自由に抵触する」と言ってくるでしょう。しかし、悪法も法です。国民を味方につければ、こんなものは簡単につくれます。消費税増税にどれだけの正当性がありますか。こんな法律のほうがずっと悪法でしょう。低所得者の生存権を脅かし、国の失政、すなわち公僕であるはずの自分たちの失態を棚にあげて消費税増税をやっています。そもそも「公僕」という意識がない官僚そのものが、公務員法に抵触していませんか。

そんなこんなで政治をすぐにでも変えたいところです。週刊現代7月26日・8月2日号が巻頭ぶち抜き15ページで「9月解散・総選挙へ どこよりも早い「全300小選挙区」当落完全調査」を特集しています。予想は「自民党350議席超え、完全独裁政権誕生!」です。私自身は暗澹たる気持ちになります。本当にこんなことになれば、日本という国が大きく変わるということを意味します。ただ、先般の滋賀知事選挙で自民が負け、11月には福島県と沖縄県の知事選挙が予定されています。自民が3連敗すれば政局も大きく動くと思われますが、それまでに野党側がどんな結集をするのか。自民と対抗できる本当のリベラルな勢力ができるのか。それをつくらせないためにも9月総選挙というシナリオはないとは言い切れません。集団的自衛権行使容認の閣議決定後は、内閣支持率も急降下しています。そんななか、週刊大衆は「国民には絶対知られたくない 安倍晋三『不都合な10の秘密』」を報じています。詳細は同誌を参照してください。

経済誌では、週刊ダイヤモンド7月19日号が「2020年からのニッポン 人口減少ショック!」を特集しています。人口減少問題はずいぶんと前からわかっていたことなのですが、なんら有効な手立てが打たれてきませんでした。ここにも官僚国家の限界が見える気がします。その根源は「責任をとらなくてもいい」という体質だと思います。公務員は2~3年で異動を繰り返しますから、責任のとりようもありません。だから結果はあまり重視されない。事業をやること自体が目的になり、その結果、どんなメリット、デメリットが発生したのかの検証がまったくありません。ムダな事業をやっていれば財政赤字は増えるばかりです。人口減少の時代に突入していて過大なインフラ整備は必要なのか。そのお金はもっと違うことに使うべきなのではないのかという議論があまりにもなさすぎです。国の補助事業だからといって、ムダなものはムダだと言わなければ、逆に地域は疲弊するだけです。

話が逸れました。“消滅”する自治体が出てくるのは明らかです。そこで同誌は国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」(13年3月推計)をもとに10年と40年の各地方自治体の人口を比較、減少率ランキングを掲載しています。それによるとワースト100の中に道内の市町村が25ランクイン。道内1位で全国6位の夕張市は、10年の人口が1万922人、40年は3883人。減少率は64.4%。以下、全国8位に歌志内市、同10位に三笠市、同11位に福島町、同13位に上砂川町、同18位に松前町と続きます。

さらに同誌では40年の若年女性人口変化率ランキングワースト100も掲載。こちらは日本創生会議「全国市町村別『20~39歳女性』の将来推計人口」をもとに10年から40年までの若年女性の減少率を集計したもの。その中に道内からは26市町村がランクインしていました。道内1位で全国4位だったのが奥尻町。20~39歳女性が10年には202人いましたが、40年には27人になると予想。減少率は実に86.7%です。以下、5位に木古内町(331人→45人)、7位夕張市(653人→100人)、8位歌志内市(311人→48人)、9位松前町(597人→93人)、10位福島町(340人→53人)と続いています。

週刊東洋経済の特集は「医療危機」。人口減少問題とも関連します。団塊世代が75歳に突入する2025年、救急医療はパンクし、入院ベッドも満杯。孤独死、死亡難民が激増すると予測します。実際、25年の日本は5.5人に1人が75歳以上の多死社会。必要な医療も受けられない可能性があるのです。そうした情勢にもかかわらず、国は4月の診療報酬改定で「7対1病床」(患者7人に対して看護職員1人を配置することを踏まえた診療報酬を得られる病床)の絞り込みをおこないました。重症度、医療・看護必要度の基準の見直しなど5つの要件を設けることで、軽症患者や長期入院患者を多く抱えている病院を排除しようとしていると考えられます。全日本病院協会の西澤寛俊会長は「7対1病床削減は医療の強化に逆行」と反対論を述べています。西澤氏は札幌市豊平区で西岡病院などを経営する社会医療法人「恵和会」の理事長です。

お待たせしました。「今週の大谷翔平」です。週刊現代は「最新動画解析 大谷翔平160キロの秘密」をモノクログラビア8ページで紹介しています。ただし、その内容は先週お伝えしたフライデー7月25日号の焼き直しです。出版社が同じ講談社ということもあるのでしょうが、ちょっと露骨すぎますかね。読む層が違うので問題ないだろうと思っているのかもしれません。週刊ポストは「行けるぞオールスターで日本最速163キロ!大谷翔平は『本気』を出していなかった」。7月19日、オールスターの第2選が甲子園球場でおこなわれ、先発の大谷選手は162キロを出しました。同誌の日本最速には1キロ及びませんでした。残念。週刊大衆は「プロ野球セ・パスター選手『夜のオールスター、ブッ飛び武勇伝』」と題した大衆らしい記事を掲載。大谷選手は「夜もうぶ部門」で初選出(笑)。チームの至宝であることから首脳陣が厳重に管理しています。外出禁止令が出されており、先輩と食事に行くときも監督に許可を得ないといけません。仲がいいのは上沢直樹選手。ある日のロッカールームで上沢選手が「この中に童貞がいますよ」と言ったら、大谷選手が「うるせえ!」と叫んだそうです。9分9厘、童貞の大谷選手。道内女子アナは目をギラギラさせているかもしれません。さらに同誌で連載している二宮清純氏のコラム「一刀両断」で「160キロ大谷翔平に『投手一本』の声」、週刊実話7月31日号は「大谷囲い込みで巨人が狙う侍ジャパン利権」という記事を掲載していました。

今週、私が注目した記事は週刊プレイボーイの「こんなカネ、どこから出てくるんだ!? 集団的自衛権のお値段、総額20兆円オーバーなり!」です。安倍晋三首相は、日本を「普通の国」にしたいと考えているようですが、それにはどれくらいのコストがかかるのか。すなわち防衛関連コストを徹底検証しています。海上戦力、航空戦力、陸上戦力、ミサイル防衛、サイバー戦の各装備を整えるとすると22兆6670億円かかると推計。ちなみに今年度の防衛予算の4倍以上です。本記事の取材・文は世良光弘氏。1959年生まれで、時事通信社を経てフリーランスになった人物です。86年のフィリピン革命、天安門事件、湾岸戦争、ペルー大使公邸占拠事件、北朝鮮国境地帯などの国際報道のルポを中心に週刊誌上に発表しています。今回の記事も各国の防衛政策に詳しい軍事評論家の古是三春氏、軍事評論家の菊池征男氏、軍事アナリストの毒島刀也氏などに取材をしており、根拠のない数字ではありません。しかも、どちらかといえば最低限の数字。コスト増要因はほかにいくつもあるといいます。そもそも深刻な財政危機が続く日本にそんなお金があるのでしょうか。さらに消費税を増税し、社会保障費を削減して、自衛隊の装備補強に回そうというのでしょうか。

さらにこの記事のあとには「心配する前に読む!『徴兵制』各国最新事情!!」が掲載されています。現在、徴兵制を実施している国や地域は約50にのぼるといわれています。具体的には、中国、台湾、韓国、北朝鮮、シンガポール、カンボジア、ベトナム、タイ、マレーシア、デンマーク、オーストリア、ノルウェー、スイス、ロシア、イスラエル、トルコ、エジプト、イラン、コートジボワールなど、軍事的な緊張が続いている国々が中心です。日本では、現行の憲法下において13条の個人の尊重、生命、自由および幸福追求権と、18条の奴隷的拘束および苦役からの自由の趣旨から、徴兵制が復活することはないと思われます。しかし、自民党の改憲草案を見ると、この13条と18条が変更されています。とくに18条は現行憲法にある「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」という文言が省かれ、徴兵制を合憲と解釈できる余地を残しているのです。

こうした話題を比較的若者が読む週刊プレイボーイが特集することの意味は大きいと思います。しかし、いまの若者は活字を読みません。新聞すら読まないのですから雑誌はもっと厳しい状況です。もちろん、ネットにもこの記事はアップされています。しかし、雑誌に掲載されている表も写真もありません。読ませるようなレイアウト上の工夫もありません。記事も半分は削除しています。「集団的自衛権」で検索すれば無数のサイトが出てきますが、正直ありすぎて選べません。パソコンの画面ならまだしも、スマートフォンの画面では読むだけで疲れてしまいます。いまのところ紙媒体に優るものはないのですが、そこにはお金がかかります。非正規の労働者の若者が増えているいま、雑誌を買って読もうという意識にはなかなかなりません。しかし、ものを読まなければ知的レベルは低下します。知的レベルが低下すれば働く口もなく、しょうがないので軍隊に入るということになります。人殺しの片棒を担ぐことになるのですが、手柄を上げれば一発逆転も夢ではありません。格差社会が軍隊を支えています。このままでは日本も早晩、まったくアメリカと一緒の構図になってしまうでしょう。そんなことでいいのか、官僚も国会議員も、何より国民がよく考えなければなりません。

そのほか道内関係としては、週刊ポストの「地方局出身!美人キャスター図鑑 地元のアイドルが日本のアイドルに」という巻頭カラーグラビアに、生まれも育ちも北海道という後藤明日香さん(31)が紹介されています。NHK室蘭放送局から秋田朝日放送に移り、今春からフリーアナウンサーとして活動。現在はレインボータウンFM「大江戸ワイドスーパーアフタヌーン」に出演中です。週刊プレイボーイには「地方局女子アナ&グルメリポーターが推薦!ご当地“激ウマ”B級グルメ」という企画で、北海道からはHBCの大栗麻未さんが「いろいろチーズの濃厚エゾシカ肉のハンバーグ」を推薦。お値段は1790円。また、フリーアナウンサーの青山千景さんが「特大フォアグラ串ほか創作串」の店を紹介しています。値段は680円~。詳しい店名などは同誌を参照してください。

サンデー毎日の巻頭グラビアは「北海道礼文・利尻を歩く」。写真・文は山田しんさん。アエラ7月21日号の特集「人を動かす言葉」には、ソチ五輪のメダリストでスノーボード選手の竹内智香さんが、ドイツ語の「Locker bleiben!」(ありのままで!)いう言葉について語っています。最後に、週刊文春7月24日号に「1300円の役人批判本を万引して逮捕された日銀幹部53歳」という記事が出ています。実はこの幹部、日本銀行旭川事務所長です。旭川市長選の候補に名前があがったことがあります。本誌8月号の旭川特集でも書いていますのでちょっとビックリです。気になる方は弊誌ともども各誌をぜひチェック! ではまた来週。(鈴木正紀)