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集部日記

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2011-11-14 諸行無常、因果応報、自業自得……

東京電力・福島第1原子力発電所の事故発生から8カ月が過ぎました。政府は「年内に冷温停止を目指す」としていますが、そんなことを信じる人は皆無でしょう。発表する政府関係者自身も、東電関係者も、原子力ムラの人々も、そんなことができるはずがないとわかっていると思います。そもそも原子炉内部の状況がわからず、中の燃料棒がどんな状態で、どこにあるのかすら誰も知りません。わからないものに対して、なぜそんな適当なことがいえるのでしょう。とても責任のある言葉ではない。こんな大人たちが国を動かしているのです。そして、こんな大人たちが子どもを教育し、子どもたちはそんな大人を見て育つのです。いい国になるはずがありません。亡国の一途です。

「反面教師」という言葉があります。「相手の振り見て、我が振り直せ」ということですが、これは大人の世界でもなかなかむずかしい。人間、低きに流れるものとはよく言ったものです。上が不正をやれば、下も不正をやる。上が適当なことをやっていれば、下も適当なことをやる。子どもたちには、いまの大人を反面教師にしてくれればいいと心底思いますが、大人社会ですら難しいものを子どもに願うのは無理があります。子育ての経験がある人にはわかっていただけると思いますが、子どもは得てして親の悪いところばかり似るものです。

いずれにせよ、人類はこれから否応なく放射能と共存していくしかありません。パンドラの箱は開いてしまったのです。もう原子力のない時代には戻れません。この8カ月間、福島からどれだけの放射性物質が大気中に、海中にばらまかれたのでしょう。いまだってダダ漏れ状態です。現在の地球上の放射線濃度は“核の時代”以前の1000倍といわれています。1立方メートルあたり1ベクレル以上とか。この濃度が生物に対しどれほどの影響をもたらすのかわかりませんが、原発が稼働している限り、これが下がることはありません。

現在100万キロワット級の原発では、年間900兆ベクレルの放射性物質を日常的に排出してもいいことになっているそうです。これは世界基準なのか日本の基準なのかは定かではありませんが、少なくとも日本ではそうです。さらに再処理工場においては、仮に六ヶ所村の施設がフル稼働した場合、年間33京ベクレル排出していい。兆ではありません。その上の位の京です。今回の福島の事故で発表されている数字は77京ベクレルですから、およそその半分の量を日常的に排出してもいいという管理目標数値なのです。

世界に原発が何基あるのか正確にはわかりませんが、安全に運転している原発でも年間何兆ベクレルの放射性物質を放出している。うがった見方をすれば、人類にがんが増えたのはこの影響があるのかもしれません。遅かれ早かれ地球上に放射性物質が蔓延するのは明白なことで、福島の事故はその時間を早めたに過ぎないともいえます。

われわれは否応なしに、放射性物質を含んだ空気を吸い、放射性物質を含んだ水を飲み、放射性物質を含んだ食物を摂取する。内部被曝は当然のこととして受け入れるしかありません。将来的には放射線に耐性を持った遺伝子が出現するでしょう。ですから人類が放射能で絶滅することはないと思います。そういう意味では楽観的に考えてもいいのかもしれませんが、そこに至るまでに多くの人々は苦しみながら死んでいくことになるのだと思います。少なくとも孫子の代に突然変異は起こらないでしょう。諸行無常、因果応報、自業自得……

さて「財界さっぽろ」12月号は本日14日発売となります。通常月とは1日早いのでお間違いなく。今月の大特集は“お給金”。日記の前振りとは何ら関係ありません(笑)。記事の内容・本数はもちろんですが、本誌の特徴の1つにグラビアの充実があげられます。12月号もドーンと20ページ。これだけを見ても道内1カ月の動きがわかります。他の追随を許さない報道姿勢。今後も「財界さっぽろ」に期待してください。(鈴木正紀)