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集部日記

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2012-05-15 石油が枯渇したら……想像力のトレーニング

唐突ですが、世界中にはどれくらいの車が走っているのでしょう。マイカーのみならず、トラック・バスなどの営業車も含めてです。世界の人口は現在70億人超。この数字が何かのヒントになるかというと、とくになりません。

さらに疑問。世界には、どれくらいの飛行機が飛んでいるのでしょう。航空機だけでなく戦闘機やヘリコプターなども含めて。また、世界中の海には、どれくらいの船が海に浮かんでいるのでしょう。客船から漁船、タンカーなども含めて。

どれもこれも見当すらつきませんが、日本自動車工業会の調べによると、2009年末現在、世界の車の数は9億6525万7286台。飛行機は、ネット情報によると1日約10万フライト、50万機くらいではないか。そして船ですが、総トン数100トン以上の船舶は、世界中で約8万8000隻だそうです(日本船主協会調べ)。これはあくまで100トン以上ですから、沿岸の漁船などは入っていません。そういうものも含めると、先進国だけでも2387万5000隻とか(ネット情報)。

いずれにせよ、車も飛行機も船も、その大半は化石燃料で動いています。日々、膨大な二酸化炭素を排出しながら、世界経済は成り立っているということです。英国科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ」によると、2010年の化石燃料燃焼とセメント生産による年間の二酸化炭素排出量は、推計91億トン。単純に365日で割り算すると1日2492万トン。これには動物の呼吸による二酸化炭素は含まれていないようです。目には見えず、重さも感じられないのですから「1日2492万トン」といわれても、まったく想像すらつきません。

もちろん、化石燃料は有限です。いつまでもつかわかりません。なくなればシェールガスのように新たな資源を見つけてくる。ただシェールガスの採掘で地震が起こるという説もあるようです。

そうはいっても、現状、世の中は石油製品であふれています。車や船なら電池で走らせることもできるでしょうが、航空機はどうでしょう。また、生活必需品の原料のほとんどは石油です。石油がなくなったとき、代替するものは何かあるんでしょうか。食料を生産する農業だって、いまや石油がなくなれば成り立ちません。トラクターが動かない。ビニルハウスはつくれない。エサも肥料も運んでこられない。もちろん、輸入もできません。

そう考えると、ここまで石油に依存した社会というのは、とても怖い話です。というか、非常に危ういところにいる。そうした自覚と想像力が必要なのだろうと思います。

さて、本日発売の6月号の大特集は2本。1つはスーパー業界にスポットを当てた「激流スーパー業界“食うか、食われるか”。地場を中心に食品スーパー13社を徹底検証しています。総力21ページ。もう1つが前号から引き続く創業50周年特集「半世紀の扉」(後編)。こちらは全76ページのボリューム。寺島実郎日本総合研究所理事長の特別インタビューでは、先の石油問題と関連する「バイオリファイナリー」について、示唆に富む話題が掲載されています。そのほか、石井淳二北洋銀行新頭取の道内景気浮揚にかける意気込み、「北海道新幹線」「分権時代」「スポーツと北海道」について、縁の人が続々登場する座談会ありと、盛りだくさん。もちろん、一般記事も政治ネタ、経済ネタ、社会ネタ、三拍子そろって充実しています。絶対損をさせない750円。いますぐ書店・コンビニへ。(鈴木正紀)