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集部日記

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2013-01-15 「普通の国」って……

歴史の転換点を予感させる2013年も明けました。本年もよろしくお願いいたします。私自身もこの5月末を持って編集長在任丸3年となります。「石の上にも3年」ではないですが、就任当初から1つの目標として「3年」という数字を念頭においてやってきました。そういう意味ではラストスパートです。本日発売の2月号もそうですが、これからの3、4、5、6月号もめちゃくちゃ面白い誌面になると、いまからワクワクしています。どうぞお楽しみに。

さて、安倍政権です。昨年12月16日投開票の衆議院選挙で、結果として自民・公明の与党に3分の2の議席を与えてしまいました。投票率や得票率からも明らかなように、自公政権に国民の期待があるわけではありません。民主党がダメすぎたということに尽きます。しかし、結果は結果です。7月の参院選挙で仮に与党が過半数を取れなくても、衆院で3分の2の議席を持っていますから「衆議院の優越」で、通したい法案はすべて成立させられる力を持ってしまいました。前の民主党政権には、そこまでの力はありませんでした。

その結果、日本はどうなるのか。大方の国民の願いであった脱原発は遠のきました。そして「国土強靭化」という名の土建国家の復活。今後10年で新たに200兆円の公共事業をやるというのです。正気の沙汰とは思えません。日本の国土は見るも無残な姿になります。沖縄県辺野古の自然豊かな海に、無粋すぎる米軍の海上ヘリポートもできるでしょう。米軍の沖縄駐留はまだまだ続きます。そして、ついに日本は戦争のできる国に逆戻りするかもしれません。果たして、こんなことを多くの国民は望んでいたのでしょうか。

ただ安倍さんに期待しないところがないとは言いません。何せ2度目の登板です。最初のときは何がなんだかわからなかったこともあったでしょう。怒涛のようなスケジュールをこなすだけで、最初にやっておくべきこと、やろうと思っていたことが、ひょっとしたらできなかったかもしれません。そのチャンスが再びきたのです。学習能力があれば同じ失敗は繰り返しません。何ごとも最初が肝心。ものごとを大きく変えるにはタイミングも必要です。それこそトップの交代は絶好のチャンスなのですから。

これは私自身の反省でもあります。3年前、結構唐突にいまの職責に就いたものですから、初めてのことも多く、最初にやるべきことができていなかったなあと、後になって思うことが多々あります。さて、安倍総理は何に再挑戦するのか。巷間いわれているところは、憲法改正をして戦争のできる“普通の国”にしたいというところなのでしょう。

でも、よく考えてみてください。“普通”ほどつまらないものはありません。ほかと違うから存在意義があるのです。日本もそうだと思います。確かに現状、国防という面では米軍に守られているといえるのかもしれません。しかし、これも疑ってみる必要はあります。米軍は戦後68年たっても沖縄を中心に日本各地に駐留しています。政府は出ていってくれと言うわけでもなく、逆に「思いやり予算」なんぞを支払って防衛をアウトソーシングしているような格好です。ただ、本当に守ってくれるかどうかは定かでありませんが……。それでも日本の外交は米国一辺倒で、戦後米国以外の国とまともな外交をおこなってきたとは到底、思えません。漏れ伝わってくる外務省の体質、各大使館の行状、OBの証言などから推察するに、本当に世界平和を希求し、どの地域も仲よく、紛争を回避するような外交などおこなわれていないと思います。

では自衛隊はどうするか。いまある自衛隊も普通に憲法の条文を読めば違反なのでしょうが、「国防軍」となれば、その呼び方そのもので憲法第9条第2項に抵触するでしょう。だって「軍」なんですから。自衛隊員は約23万人います。いまさら自衛隊をなくして、彼らの生首を切るわけにはいきません。ではどう生かすべきか。これまでも災害復旧には大活躍してきた実績があります。私も前々から考えていましたが、自衛隊は国内外にかかわらず「緊急災害救助隊」になればいいと思います。こうした発想は多くの人々が持っています。サンダーバード的な取り組みこそが、海外との信頼を築き、まさに国防になります。そこに日本の土建屋さんも参加したらいいと思います。日本では自然破壊しかすることがなくても、海外にいけばそうではありません。被災地でのインフラの復旧ははもちろんのこと、いまだ道路や上下水道が整備されていない地域は多々あります。ODAで金だけを出すのではなく、現地の人と一緒にインフラを整備する。こうやって他国と仲よくし、親日の国を増やしていくことこそ、軍備を持たずして戦争を回避する唯一の手段だと思います。

昨今の外交で、とくに懸念されるのは中国と韓国です。もちろん北朝鮮もありますが、彼らの目はアメリカに向いています。日本との交渉のテーブルには載ってこないでしょう。これからの時代、中国と韓国との関係は厄介になるだろうと思います。現実の反日教育がどれほどのものかわかりませんが、これがジワジワ効いてくるとも限りません。みな自国に都合のいい歴史を子どもたちに教える。子どもの頃に刷り込まれた認識は結構、尾を引くと思います。少なくともこの3国で共通の歴史認識を持つことはできないのでしょうか。

かなり現実離れした考えかもしれませんが、それぞれ3国の歴史家が一堂に会し、客観的史実に基づき近現代の共通の歴史をつくる。その場所は北海道がいいかもしれません。中国人も韓国人も北海道は好きそうですから。阿寒でも洞爺でも知床でも、どこでもいいです。議論をし、議論に疲れたら温泉にでも入って、心を落ち着けてリフレッシュする。いっしょにゴルフもする。釣りもする。スキーもする。狩猟をしたいというのであれば、シカ撃ちをしてもいいかもしれません。カジノはないので、夜の社交場は国か道が用意したプライベートジェットに乗ってススキノまでひとっ飛び。そんなことを織り交ぜながら、歴史について納得するまで徹底的に議論する。もちろん侃侃諤諤の論争になるでしょう。最悪、戦争になるかもしれません(そこまで愚かだとは思いませんが……)。しかし、そうした努力なくしてこの3カ国の未来はないと思います。

この活字離れの時代に、われわれに何ができ、何を伝えなければならないのか。日々考えをめぐらす今日この頃です。財界さっぽろ2月号は本日発売です。お早めに書店、コンビニへ。(鈴木正紀)