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サスティナビリティ(29)クリーンテック革命で北海道の再生を-(13)
Climate(気候変動への高い関心)(1)
更新日:2008年07月30日

    

 流通視察で訪れた6月初めのニューヨークはたまらないぐらいの暑さだった。この時期としては観測史上初となる36度から38度の最高気温を連日記録していた。一方日本でも、関西・中四国地方は7月初めから30度を超える日が続いたが、関東地方も梅雨明けと同時に真夏日の連続となっている。東京・札幌間を移動する身としては、千歳空港に降り立った時の何ともいえない爽快感に救われている。
 ハーバードビジネスレビュー5-6月号では、21世紀中に予測される地球環境の変化についての分析結果が掲載されている。まず、ほぼ確実に到来する現象として「真夏日の増加・熱波の頻発」を挙げている。真夏日で済めばいいが、猛暑日が続いたのではたまらない。エアコン利用による電気需要で、ますます温暖化ガス排出が増えるという悪循環は避けなければならない。
 次に、極めて実現の可能性の高い現象として「集中豪雨の頻発・熱帯性低気圧の活発化」が挙げられている。2005年に発生したハリケーン・カトリーナはカテゴリー5という最大規模で、1836人が亡くなり、ジャズの町ニューオリンズを完全に水没させた。気温の上がった海がストームを発生させることを多くの人々に認識させ、世界中の人に地球環境に対する警告を発した災害といえるだろう。また、南アジアからオーストラリアを襲うサイクロンや南西太平洋で発生する台風の被害は近年増加していると聞く。
 さらに、可能性の高い現象としては「干ばつ地域の拡大」と「海面の上昇」が指摘されている。オーストラリアは2006年と2007年、2年連続で激しい干ばつに見舞われ、農産物に甚大な被害をもたらした。1950年ころと比較し、降雨量は半減している。インド洋の異常気象は本年もその兆候をみせ、南アジア地域の豪雨とオーストラリアでの干ばつが懸念されている。NASAは2006年、グリーンランドのアイスベルト地帯は以前に予想されたよりも溶解が早まっており、世界で海水面の上昇が危機的な状況になると発表した。私の生まれ故郷留萌では今年5月1日に桜が満開になった。
 これら異常気象の主要因はCO2排出による気温上昇との判断が主流を占めており、このCO2排出を抑制・減少させるクリーンテックに対する期待は、今後さらに高まることになろう。
 実際、気候変動問題は2つの観点からクリーンテックを促進するものとなる。1つはCO2を削減もしくはまったく排出しないテクノロジーに対し世界規模の需要が一挙に高まることであり、2つ目は企業の格付けがCO2排出で大きく判断される点である。投資家はCO2排出によるリスクで企業格付けを下方修正し、一方においてCO2削減に向けた活動を促進している企業や事業に対しては積極的な投資活動を行うようになる。
 さて、21世紀中にほぼ確実に予測される変化から可能性が高い変化までの4段階で、それぞれ「産業・生活・社会」、「農業・林業・生態系・水資源」「健康」に対する影響は具体的にどのようなものか、ハーバードビジネスレビューのレポートに従って下図で一覧化した。
 地球温暖化が北海道にも影響を及ぼしてくるのは否定しないし、またグローバルの経済・社会環境の中でほかの地域の被害が北海道に影響をもたらすのも当然である。しかしながら、温暖化の直接的被害に限定するならば、北海道は極めて軽微な被害であるといえるだろう。一方、暖房需要の減少、積雪・凍結の障害減少、寒冷地の生産量増加など有利な側面も出てくる。
 先般の「G8北海道・洞爺湖サミット」で、国際プレスセンターに「触れる地球」が設置されていたのをご記憶の方も多いだろう。スーパーコンピュータを使い地球温暖化と気候変動を今後100年間にわたってシミュレーションし、「触れる地球儀」上にグラフィックで表示していた。これによると、赤道近辺で熱せられた空気が亜熱帯地域に熱波となって広がり、この地域が最も地球温暖化の影響を受ける様子が現れていた。アフリカやアジアの南部、オーストラリア、米国西海岸が大きく影響を被り日本では本州中部以南がその影響範囲に当たっている。この画面を見る限り、北海道への甚大な影響は見られなかった。
 もしかしたら、北海道は地球温暖化に苦しむ世界各地の人々にとって“オアシス”になる可能性を持っているのではないだろうか。次回に本シリーズの最後として夢を語りたい。