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サスティナビリティ(20) クリーンテック革命で北海道の再生を-(5)
Capital(クリーンテックに投入される資本や資金-1)
更新日:2008年05月10日

    

すっかり一般的となったインターネット、コンピュータといったものを包括する概念の、いわゆる”IT(情報技術)”は今や経済活動のみならず家庭生活にいたるまであらゆる分野に浸透している。農業革命・工業革命に続き、今やIT革命の真っただ中でわれわれは生活している。このIT革命をリードしてきたのは、マイクロソフト、サン・マイクロシステムズといったシリコンバレーで20-30年前に誕生したベンチャー企業である。そして、これら企業を資金的に支援したのがベンチャーキャピタル(VC)である。
 かつてハイテクやインターネット革命に競って投資したVCの多くが、今やクリーンテックへの投資で先頭を切っている。中でも、シリコンバレーの最有力VCで、アマゾン.COM、グーグル、ネットスケープへの投資で有名なKPCB(クライナー・パーキンズ・コーフィールド&バイヤーズ)が、今月(2008年5月)に入り、環境ベンチャーなどに1200億円のファンドを設立すると発表した。ちなみに、ゴア前副大統領もKPCBの支援者の一人である。
 KPCBは昨年にも、カリフォルニア州とネバダ州にそれぞれ177メガワットと700メガワットの太陽熱発電事業を開始するオースラ社に資金投入することを発表している。これら太陽熱発電が本格稼動する時点では、天然ガスと同等のコストでほぼ60万戸に電力が供給できると想定されている。
 シリコンバレーは、今や環境というITに次ぐビッグビジネスで異様な熱気に包まれているとのことであり(日経新聞3月12日号を参照)、この熱気は、ベンチャービジネスに限らず、大手企業、銀行、投資会社、起業家といった幅広い層におけるクリーンテックへの投資という形で広がりを見せている。例えば、世界最大の企業規模で、多様な製品を製造しているGEは、“エコマジネーション”ビジネス戦略推進のため、2010年までに毎年15億ドルをクリーンテックR&Dに投資すると発表した。
 石油大手のBP(ブリティッシュ・ペトロニアム:ビヨンド・ペトロニアム「石油を超えて」と社名変更)は、太陽熱、風力、水素による代替エネルギー開発をさらに推進するため、10年間で80億ドルを投資することを予定している。
また、スペインのエネルギー大手企業、イベルドロラとアクシオナの両社は風力発電を中心としたクリーン・エネルギーを推進するため数十億ドルの資金を投入する予定である。
 日本においても、トヨタはハイブリッドカーとフュールセル(燃料電池自動車)開発に80億ドルのR&Dを投入すると発表。シャープの片山社長は「1000億円をかけて薄膜太陽電池の工場をつくり、省エネ・創エネ事業を売上高の半分を占める柱に育てたい」と語っている。
 一方、2005年、ゴールドマンサックスは、風力発電世界最大手のジルカー(Zilkha)リニューアブル・エネルギー社を買収した。同社は自然エネルギーに対する投資専門家を配置し、風力発電を含む自然エネルギー企業に向け20億ドルの資金を運用している。ゴールドマンサックスのクリーンテック投資は波状的に他の投資会社に広がっており、今後数年間で数百兆円の資金が世界のクリーンテック事業に向けられるだろうと予想されている。(アジアの環境ビジネスだけでも300兆円=政府の「アジア経済・環境共同体構想」)。

 想像を超える大規模な投資が世界規模で目白押しの状況ではあるが、必ずしもこれらの数千億規模の投資がクリーンテック市場の全てでは当然ない。前回触れたように、三菱商事はグリーンパワーインベストメント等と200億円の風力発電特化ファンドを設立しており、また北海道銀行は北海道農業企業研究所(HAL)と包括提携を結び融資先としての開拓を計画している。したがって、国内外であらゆる規模の投資主体が投資先を模索している中で、北海道がクリーンテック・ビジネスに大きな可能性を有していることを、内外の投資機関に具体的に提案し続けることが出来さえすれば、この潮流に乗るチャンスをつかむことが出来る可能性も大いにある。その絶好の機会として、7月に開催される「北海道洞爺湖サミット」を生かさない手はない。

 前回述べた風力発電、森林整備によるCO2吸収、間伐材のチップ・柳・家畜糞尿を活用したペレット燃料やバイオエタノールなどは洞爺湖サミットをきっかけとして、北海道経済活性化の切り札となるのではないか。それぞれのビジネスモデルの開発、および積極的な広報活動による資本導入を実現する必要がある。それも、数年先の話ではない。「北海道洞爺湖サミット」に間に合うように!

 次号では、それぞれの可能性について具体的に記載していきたい。