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サスティナビリティ(133)
2020年~2024年 「世界規模の環境被害の5年間」(3)
更新日:2012年01月05日

    

 「グッド・ニュース 私の友人Hideo Funamotoが“生存していること”が分かった。」 昨年暮れにネットに載った“VICSニュースレター”の1面トップ記事を見て、私自身驚いた。
 VICSは、ウォールマートやP&Gなど米国の大手流通業約300社が参加する流通システム標準化機構で、EDI(電子データ交換)やバーコードなど、米国のみならず世界の流通業で採用する手順の標準化を推進している。私も1999年までは日本の窓口として180社の会員と共に同協会の活動に参加していた。会長はアンドラスキーさんで、米国流通業界の大御所でもある。私との交友も深く10年間の付き合いになっている。
 3月11日の震災後に連絡したのだが、私の安否が届いていなかったようだ。彼は、私が“日本の北に移り”その後連絡がないことからてっきり家族共々津波に襲われていたと思っていたらしい。VICSニュースレターは世界各国の数千人に送付されており、図らずも海外の多くの友人に私が“生存している”ことが発信されたことになる。
 東日本大震災は海外でも連日トップで報道され、日本の友人の安否をいかに多くの方が心配していたかを改めて認識させられた。同時に、日本人の優しさ・いたわりの心、道徳心を持ったふるまい、懸命に再建しようとしている被災者、被災者と一体となって支援する多くの日本人の姿に感銘を受け、賞賛のメールやクリスマスカードが海外の友人から多数送られてきた。

 新たな年が始まった。
大震災を決して忘れず、その悲惨な経験をこれからの日本の再建につなげる年にしなければならない。被災地の早期の再建、日本経済の再建、日本人の生き方や心の再建に3.11の激震を生かしていかなければならないと、年初にあたり強く感じている。
 現在本ブログでは、2020年~2024年の社会・経済・地球環境を見てみようという大それた試みをしており、この期間を「世界規模の環境被害の5年間」と見ている。
 昨年も自然災害に世界中が苦しめられ、今後その脅威は増すと予想されているが、何らかの手を事前に打つことができるならば、地域的にはその影響を軽減することが可能だ。さらに産業振興への道を開くこともできるだろう。特に北海道はその可能性を秘めていると思う。
2012年は、まさにその方向に向けて力を注ぐ年である。

 第1に挙げられるのは、本年7月に「再生可能エネルギー特別措置法案(再生可能エネルギー買い取り法案)」で太陽光や風力発電のキロワット当たりの買取価格が決まることになっている。同法案は昨年8月に成立したが、太陽光や風力で発電した電力価格についてはその決定が延ばされ、本年7月に決まる予定だ。予想では太陽光が1キロワットあたり40円前後、風力が20円前後と言われている。
 欧米各国では再生可能エネルギーの全量買い取り(FIT制度)で急速に環境関連産業が振興した。現時点では再生可能エネルギーによる発電は原子力や化石燃料に比べて高く、再生可能エネルギーの買い取り価格を高く設定すると、電力料金に影響することになる。しかし、今後の技術の進化で再生可能エネルギーによる発電は大幅に下がることが見込まれている。一方、原子力発電は今後長期にわたって継続することを国民が許容するとは思われず、また化石燃料は新興国需要で大幅に資源価格が高騰すると予想され、さらに温暖化効果ガス排出問題が大きい。
 短期的視点でなく、長期的にベストなエネルギーミックスを考えた場合、現在2%を下回る再生可能エネルギーを2020年に20%を超えるシェアまで伸ばす必要があるだろう。EUは2020年までに最終エネルギーにおける自然エネルギーの割合を27カ国平均で20%にする目標を設定し各国が取り組んでいる。スウェーデンは2009年ですでに50%を達成している。資源に大きな制約があり、一方において優れた太陽光・風力発電技術を持っている日本が、2020年までに20%を達成できないと言う理由はないだろう。
 国民の意識も環境維持(サステイナビリティ)に向け大きく変わっており、節電努力も含め少々高くても再生可能エネルギーを優先的に受け入れるだろう。このためには、発電と送電が分離され、再生可能エネルギーで発電された電気を選択できるようにする必要がある。
 また、再生可能エネルギー特別措置法には再生可能エネルギーが送電網に接続されると、電圧や周波数が変動する懸念があるため、電力会社が買い取りを拒否できるという条項が残されている。電力の安定のためには、欧米のように広く地域ごとに発電所が存在し、それらを平準化する送電網(スマートグリッド)を配置することが考えられ、さらに蓄電設備や揚水発電なども役立つ。また、全戸に電力利用状況を把握することができるスマートメーターを設置して、各家庭が電力需要のピーク時に節電するようお願いすることも考えなければならない。
 こうした事は、技術的には可能なので、10年先20年先を見据えて、早期に(2012年中に)方向性を明確化し取り組みを始めるかだ。いずれにしても2012年は「特別措置法案」の買取価格決定で、どう北海道経済の経済振興に結びつけるか、北海道版グリーン・ニューディールに向けて重要な年になってこよう。

 第2には、北海道の観光がターニングポイントを迎える年になる点だ。昨年は東日本大震災の影響もあり、海外からの観光客が大幅に落ち込んだ年だった。それまで右肩上がりで伸びていただけに、北海道経済への影響は少なからざるものがあった。2012年には震災の影響も薄れ、また新規に複数のLCC(格安航空会社)が北海道への乗り入れを発表しており、国内・海外からの観光客が大幅に増加すると思われる。
 問題は、これら観光客にいかに北海道の魅力を感じてもらえるかだ。今後、世界各地で地球温暖化の影響が顕著になり、洪水・干魃・猛暑と自然が猛威をふるう可能性が高まっている。一方、今までのブログで具体的に述べたように、北海道はこれら自然災害に対し比較的に強い地理的側面・自然環境側面において優位性を持っている。
 四季折々の美しい景観、新鮮で安全な食、おもてなしの心と言う北海道ブランド価値を2012年中により強固なものとして打ち出していくことが必要だろう。今後、日本・世界各地で頻度を高めると思われる自然災害の中、“北海道に行ったら心と体が癒しされる”という思いを持ってもらうことが、北海道の産業振興のカギになるのではないだろうか。
 本年訪れる国内外の観光客にこの思いを持ってもらったなら、リピート客の増加、口コミでの新規訪問客の増加が大きく期待できるのではないだろうか。

 2012年は、北海道の安全・快適さ・おいしさを具体的にアピールすると共に、その優位点を産業化する年にしなければならない。