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サスティナビリティ(73)
地図に観る北海道の環境-1地下帯水層(1)
更新日:2009年11月20日

    

 地球温暖化の影響は真夏日の増加、熱波や集中豪雨の頻発、熱帯性低気圧の活発化、干ばつ地域の拡大、海面の上昇をもたらすといわれている(ハーバードビジネス)。これら地球全体に及ぼす影響が北海道にはどのように及ぶのだろうか。地球全体の地図からその影響を探るのも1つの方策であろう。今回から5-6回にわたって、地図を見ながら地球温暖化の影響を見てみたい。
 第1回は、地下帯水層を取り上げる。本ブログの「サステイナビリティ-61」で、一部触れたが、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、長年にわたり地下水に関する研究を行ってきた。昨年(2008年)10月26日には、「世界の地下水分布地図」を作成し発表した。下の図がそれである。世界的な干ばつの恐れのなか、地球の水資源に占める地下水の比率は96%であり、地下水の“効果的”利用がますます重要になってきている。
地図では、青で示された地域に地下帯水層が広がっているのを表している。河川や湖沼など地表に存在する淡水のほぼ100倍の量が地下に存在しているということで、水不足の心配はいらないのではないかと思われる。しかし、ことはそんなに簡単ではないようだ。
 第1に地下帯水層の遍在である。発表によると、北米・南米に68、アフリカに38、東ヨーロッパに65、西ヨーロッパに90の地下帯水層があり、アジアはわずか12カ所である。ご覧のように、中国の内陸部と南方の沿海部、朝鮮半島、ロシアの日本海沿岸部、インドシナ半島、さらに西部オーストラリアには帯水層がみられない。
第2の問題としては、過度の取水で帯水層の地下水が減少している点である。20世紀後半からの人口の増加と産業の発展により、水資源を地下水に求める動きが世界的に広まっている。地下水の利用では、その65%が灌漑用水、25%が飲料水、10%が工業用水として利用されている。インド、南アフリカ、スペインなどでは灌漑用水の80%以上が地下水に頼っており、ヨーロッパでは水資源の70%を地下水に依存している。米国では、灌漑用地への地下水汲み上げが過度になり、地下水の水位がどんどん下がっているのが現状である。さらに危惧されるのは、過度の水資源開発と汚染によって危機的な状態に陥っている地下帯水層がある点だ。
 意外なのは、乾燥地帯が広がるというイメージのアフリカ北中部に多くの地下帯水層があることだ。現在は技術が充分ではなく地下水資源の利用が進んでいないが、今後日本などの先進国からの技術支援で、アフリカ住民の貧困と飢餓が救われる可能性がある。一方、アジアの東部や中部では、河川の水資源が枯渇した場合に代替となる地下水資源が少なく、厳しい環境になるのではないかと想像できる。
 次回では、日本及び北海道の地下水資源について、地下水資源分布図から考えてみる。