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サスティナビリティ(10)
カー・シェアリング(1)
更新日:2008年01月22日

    

 「多分何か列車事故があったのだろう」。そう考えるしかなかった。30年前、札幌から東京勤務となり、初めての通勤で浦和駅のホームに立っていた時のことである。
 入りきれない人を駅員が電車内に押し込もうとし、さらにドアを閉めるため乗り切れなかった人を引きはがそうとしている。次の列車を待とうとしたがこの“異常な状態”はますますひどくなるばかりであった。「これが名だたる通勤地獄なのか」と気付くまで、同じ光景を3回もただ見るばかりであった。
 このとき以来、海外勤務の期間を除き30年ほど“痛勤”を経験することとなった。特に梅雨時は、蒸し暑い車内で周りの“痛勤”同僚から押され(多分自分も押しているのだろうが)、あらぬ疑いをかけられぬよう手の置き所に注意する姿勢で1時間も揺られる。エネルギーの損耗は甚だしいものがある。よくぞ耐えたものと自分に感心するばかりである。

 これに引き換え、札幌の地下鉄やバスは天と地ほどの差がある。通勤時間帯であっても社内はドア周辺以外ゆったりしていて新聞も読め、時には座ることもできる。
 東京、横浜、大阪、名古屋といった人口150万人を超す大都市の中で、このような余裕のある交通システムを持っているのは札幌をおいてほかに見られない。
 冬季オリンピック(1972年)の時期、私も札幌におり、ゴムタイヤで走る地下鉄やこれを機会に開発されたオーロラタウンとポールタウンの出現は、北国に住む者にとって心躍る想いであった。「街ができる、美しい街が」、トアエモアの歌が懐かしい。
 現在、私はバスや地下鉄を利用するようにしているが、乗客を見ると女性や学生が多く、いわゆるサラリーマンの比率が意外に少ないのに気付く。日中は老人や子供がほとんどで、ここでもビジネスマンにはお目にかかる機会が少ない。一体ビジネスマンはどこにいるのか?
 その答えは、他都市にくらべ車線の多い札幌市内で慢性化している通勤時間帯の渋滞にある。ほとんどの車は通勤用、かつ1人乗り(1台1人)の場合が圧倒的に多い。公共・民間による莫大な社会インフラ投資にもかかわらず、利用者側が非効率的な利用法を実践しているという”ゆがみ”現象が起こっている。
 この”ゆがみ”が、渋滞という現象だけでなく、不必要な環境汚染にも繋がってしまっていることをどれだけの札幌市民が認識しているのだろうか?
 走行車数増による大気汚染の増大、駐車スペースの拡大による緑地減少…。次回は、同様の現象が起こっている米国での取り組みについてご紹介したい。 (続く)