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サスティナビリティ(45)
オバマ次期大統領の環境政策と北海道(8)
更新日:2009年02月10日

    

 リチウムイオン電池を風力発電の蓄電用に、さらにはEVの交換用に使おうとする発想は技術的・経済的に精査しておらず、突拍子もない提案と受け止められるかもしれないが、以下の仮説をたててみた。
1. リチウム電池のコストはまだ高いが、技術進歩と大量生産により今後価格が大幅に低減するだろう(IT分野のムーアの法則の様に)。
2. 風力発電の効率を50%と仮定して必要設備を試算しているので、実際に蓄電されたバッテリーから放出しなければならない電力は、全体の2-3%ではないだろうか(風力が弱く年間で風力発電がから供給できない日は年に7日-10日)。
3. リチウムイオン電池に蓄電される電力は、100%自然エネルギーとなる。
4. 順調な風力で出力された電力の過剰部分はリチウム電池に蓄電され、風力発電のバックアップに使用されると共に、EVもしくはハイブリッド車用の電池として使われる。

 電気自動車(EV)の場合、走行中にCO2は出さないものの通常電力で充電すると発電に石油や石炭などの化石燃料を使っているためその分のCO2が発生する。もちろん、EVはガソリン車に比べると平均的電力構成(化石燃料、原子力発電、自然エネルギー)でCO2発生は7割程度抑えられるが、まだ30%が残る。
 限りなくCO2発生をゼロに抑えるためにはどうすればいいのだろうか。考えられるのは充電するための電力を全て自然エネルギーもしくは原子力にすることである。しかしこの方法は現実的ではない。家庭でハイブリッド車やEVにプラグインで充電する場合、全ての家庭電力が自然エネルギーになるには50年程度かかるだろう。
 次には、充電スタンド(ガソリンスタンドに併設)から急速充電するときの電力を自然エネルギーにすることであるが、これは可能性がある。しかし、送電系統を別途にしなければならず、コスト的に難しいだろう。ただ、地域を限定した場合に現実味を帯びてくる。例えば、オロロン街道沿いの充電スタンドから始めることもできるかもしれない。
 本年から発売が予定されている三菱自動車の小型EV I MiEV(アイミーブ)の場合、走行距離が充電後で約100キロメートルであり、家庭用充電で12時間(100Vの場合)、スタンドで80%の急速充電に15-30分を必要としている。もちろん、大変な進歩であり地球環境にとって喜ぶべき車の登場である。しかし、現在発表されているEVは通勤や買い物用など限られた地域を走るように設計された小型車がほとんどだ。もっとゆったりとした車に乗りたい、もっと遠くまで走りたい、もっと充電時間を短くしたいという思いは当然出てくる。大型にすると搭載電池も多くなり、車体重量が重くなりさらに電池容量を増やす必要がある。電池容量が多くなると車そのものの価格も大幅に高くなり、充電時間も長くなるという矛盾に突き当たる。
 このような問題を解決する手法として「電池交換ステーション」があり、現在各国で検討されている。切れた電池もしくは容量の少なくなった電池を新しい電池と交換するもので、大幅に充電時間が短縮される。既に専門の企業も誕生していると聞く。
 この「電池ステーション」に、オロロン街道のウインドファームで充電されたリチウム電池が使えないだろうか。CO2が一切排出されない100%クリーンエネルギーのEVが走り回ることになる。容量の少なくなった電池はタンクローリーならぬ電池回収車で各地の充電センターに行き再充電され、風力発電のバックアップに使われ、さらに再度「電池ステーション」に回される。運輸部門における大幅なCO2削減が実現することになろう。

 三菱電機が300億円をかけてリチウム電池工場を建設すると先に記述したが、その場所は新潟県の柏崎である。柏崎で連想されるのは刈羽の原子力発電所だ。新潟県中越沖地震でダメージを受け、現在修復中の原発である。再開後に刈羽発電所の電力をリチウムイオン電池に充電すると、CO2の全く発生しない電気エネルギーが生まれる。
 もし、そのような目的でリチウムイオン電池工場ができるとしたら、オロロン街道ウインドファームで充電された100%自然エネルギー電池も夢ではない。
 「オロロンのクリーン電池」として、ブランド価値も上がるのではないだろうか。

 さらに、この優位性を訴えて石狩や深川近辺にリチウムイオンの工場を誘致することも現実味をおびてくる。新たな、そして大きな経済効果が生まれることになろう。