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サスティナビリティ(40)
オバマ次期大統領の環境政策と北海道(3)
更新日:2008年12月20日

    

 12月15日、オバマ次期大統領は環境対策の閣僚を発表したが、エネルギー長官にはノーベル物理学賞も授与されたスティーブン・チュー氏を指名、またチュ-氏のチームには、石油依存からの脱却と温暖化ガス排出削減に積極的なメンバーが選出された。今後、このチームとゴア前副大統領との関係強化も想定されている。いずれも、原子力発電には前政権ほどには積極的ではなく、再生可能エネルギーを中心としたクリーン・エネルギーを大規模に開発する方針で、太陽光・風力発電に大規模な資金を投入しつつ雇用の創出も目指す政策で、まさに21世紀のニューディール政策が開始されようとしている。
 「オロロン街道をウインドファーム」にと本ブログで何度か訴えてきたが、風力発電をベースに北海道版ニューディールは考えられないだろうか。
 先般、日本のみならず世界各地で発電所を開発している電力卸(電力会社に電力を供給する会社)の電源開発株式会社(Jパワー)本社を訪れた。その目的は、風力発電に関し勉強させて頂くことであった。同社は、日本における大規模ウインドファームの先駆けとして苫前のウインビラ発電所を開発した実績を持っている。苫前は私の故郷留萌の近くで、昨年訪問したこともあり、以前より同社に是非訪れたいとの想いを持っていた。対応下さったのは同社環境エネルギー事業部・風力事業室グループリーダーの方で、突然の訪問にも拘わらず素人の私に親切なご説明をして下さった。
 まず、冒頭大変力強いお話を頂いた。「風力発電事業に参加したいという声は高まっており、参入規制も特になく、北電で5万KWHの風力発電事業の募集に対し、10倍もの応募がありました。平成10年から建設費の3分の1を政府が補助するようになり、事業採算性が取れるようになったのです。北海道電力や東北電力は特に積極的に取り組んでいます。オロロン街道は風に恵まれており全国的に見ても格好の立地と云えるでしょう。」何と、私の素人発想が裏付けられたもので、とたんに嬉しくなった。
 ただ、一方で、風力発電にはいくつかの弱点があるのも事実である。
第一に、“風まかせ”であり、電力会社の使命である安定供給を維持するのには心許ないエネルギーであること。
第二に、送電線の問題がある。大容量の電力が発生した場合、それに耐えうる電線の熱容量が必要である。しかし、風力発電の設置場所は地方の場合が多く、特に北海道の場合現状敷設されている送電線は細く、熱容量に耐えることが出来ない。
 第三には変電所の処理能力がある。名寄の変電所は規模が小さく、また名寄から北の地域は送電線の関係で風力発電の対象外となっている。
 第四は、送電線の系統である。欧州で風力発電が盛んに普及・建設されているのは、EU各国間ではメッシュ型の送電系統で連携しており、電力を発電量によって相互に融通し合う仕組みができている。一方、日本の場合は北海道・本州連携のような串刺し型であり、全国的もしくは国際間の相互連携が取れていない点がある。これが電力の安定供給の上で問題となっており、電力会社も不安定な電力供給に制限を設けている。
 第五は、風力発電設備。欧米では風力発電ブームになっており、需要が多いため風車そのものの値段が上がっている。それに加えユーロ高が価格に影響をもたらしている。さらに、風車の支柱および羽根は想像以上に大きなもので、それらの輸送上の問題がある。地方の細い道路を利用して高台に設置するのは困難な場合がある。特に、発電量を高めようとすると風車そのものの規模も大きくなり、適切な設置場所が限られる。
 最後に、現状では既存の発電手法と較べ電力当たりの価格が高くなることであり、それをどこが負担するかという点である。

 「オロロン街道をウインドファームに」を実現するためには、多くの解決すべき問題点があるのは確かである。しかしながら、風力発電事業に期待する声は高まっており、オロロン街道は候補地としての大きな可能性を有していることもまた事実である。取り上げた6つの問題点をどのように解決していくことができるかについて次回挑戦してみたい。