會澤高圧コンクリート
コンクリートが次世代のエネルギーインフラへ
コンクリートの〝不可能〟を可能にし、常識を覆し続けてきたコンクリートメーカー「會澤高圧コンクリート」が、新たなキーテーマとして掲げるのは「蓄電」だ。
目下、注力しているのは炭素微粒子カーボンブラックを配合して正負極の電池構造をつくる「蓄電コンクリート」の開発。昨年9月、米国マサチューセッツ工科大学と研究を進めてきた世界初となる基本モジュールの開発に成功し、研究開発拠点「福島RDMセンター」(福島県浪江町)で初披露した。
會澤社長は「1立方㍍当たりの蓄電コンクリートの性能をわずか1年で約4倍の1㌔ワットに向上させた。5㌔ワットにまで高めれば、家庭用の蓄電池として実用化が視野に入ってくる。身の回りのコンクリートにいつでも電力が溜まっている、それが未来のライフスタイルです」と語る。
一方、先行して開発を進めてきた自己発熱コンクリートは、今年9月にベータ版をデビューさせる予定だ。カーボンブラックを配合する同系の技術だが、「コンクリート自体を電気が流れる発熱体にできるのがミソ」「熱パイプを張り巡らせる従来工法の半分以下の省エネルギーで雪が溶ける」として注目を集めている。ベータ版は、工芸品のような高級タイルと一体化した〝新建材〟として打ち出し、高級レジデンスのエントランスやカーポートの融雪パネルとして最初の市場を切り拓いていく。
「融雪はランニングコストが問題。将来は、生コンのように現場で打設可能な自己発熱コンクリートも視野に入れています」(會澤社長)
大型の発電所で生み出した電気を長大なグリッド(送電網)で、広域に供給するのが20世紀のエネルギーモデル。「コンクリートはどこにでも存在する。これを蓄電できる非系統分散型のエネルギーインフラとして再定義し、私たちの業界を再生可能エネルギー時代に欠かせない産業へと進化させたい」と會澤社長。