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阿部フロンテクス

新会社ロゴ。「阿部鋼材」から「阿部フロンテクス」として生まれ変わった

社名変更で新たなスタート。価格競争からの脱却を図る

 鋼材加工で道内有数の実績と75年以上の歴史を持つ「阿部鋼材」は、7月1日に「阿部フロンテクス」へ社名を変更。新たなスタートを切った。

 新社名は〝開拓者精神〟を意味するフロンティアと人や機械の技術力(テクニック・テクノロジー)を掛け合わせたもの。ガス溶断・曲げ・溶接といった職人技と、レーザー加工やマシニングなどの先端技術を掛け合わせた企業への進化を目指す。

 阿部大祐社長は「建築用切板は、本州企業との価格競争が激しく、技術力が価格に反映されにくいのが課題でした。今後は溶断、曲げ、溶接、組み立て、マシニングまでワンストップ対応ができる一貫受託型ビジネスへとかじを切ることで、価格競争からの脱却を図っていきます」と意気込む。

 2025年度は、再生可能エネルギー分野での受注が拡大。特に水力発電関連では、同社の特徴である大型鋼板加工や厚板溶接技術を生かした、水圧鉄管などに用いられる鋼材加工が増加した。インフラ更新や脱炭素を背景に、受注領域は着実に広がりを見せている。

 26年度の業績目標は、売上高28億円(前年度比3.4%増)、経常利益9000万円(同80%)を掲げる。道内では、対応できる企業が限られる特殊鋼を用いた溶接製品の開発・販売に注力する方針で、付加価値の高い製品供給を目指していく。

 一方で、人材戦略にも大きく踏み込む。従来は「溶接・曲げ・組立」「切断」「削り」の3部門に分かれ、それぞれに特化していたが、今年度からは若手を中心としたジョブローテーションを導入。多能工化を進め、一つの分野に特化した専門性と他分野にまたがる幅広い知識の双方を兼ね備えた人材を育成している。

「若手とコア人材の育成を同時に進める〝ハイブリッド型人材戦略〟へと転換しています」(阿部社長)

 設備投資も積極的だ。11月には、石狩工場にトルンプ社製の曲げ加工機「TruBend8000」を国内で初めて導入する。これにより、複雑形状や高難度加工への対応力が大幅に強化されるという。

「最新機器の導入は継続的に行います。加工技術と生産体制の両面から競争力を底上げし、事業領域の拡大を図っていきたい」と阿部社長。

 

石狩工場とマシニング工場合わせて敷地面積は2万9800平方メートル
阿部大祐社長