ほっかいどうデータベース

くきつ

女性が働きやすい制度や職場環境を整備している

盤石な経営基盤で安心して働く。自ら考え行動する女性人材が活躍

盤石な経営基盤で安心して働ける環境

 プロパンガスの供給を主事業に、来年創業70周年の節目を迎える「くきつ」。燃料の供給量を増やすべく、1982年からは賃貸マンションの企画、建築を開始した。社内の建築部門は2005年に廃止したが、その後も多くの賃貸マンションを企画、供給。現在、自社で所有する物件は40棟を超え、顧客オーナーへの販売物件を含め約2000戸の管理を手がけている。

 経営理念は「誠実・謙虚」。提供するガス料金メニューにも顧客と真摯に向き合う姿勢が表れている。それが全戸統一の明瞭な料金体系で人気を博す「ガス安君」だ。ガスの用途を調理・給湯・暖房に分け、暖房に使用したガス料金を40%割り引くシステムで、札幌市内で約7000戸に供給している。物価の上昇が続く中、割安なガス料金を通じて入居者に喜んでもらうことで、新たな入居者の獲得と退去の抑止につなげている。

 ガスというインフラ供給事業をはじめ、事業ローンの完済も増えてきた賃貸マンションオーナー業、そして管理業が事業の柱だ。安定的な3つのストックビジネスで盤石な経営基盤を築いている。

 山仲啓雅社長は「得られた利益をDXなどの投資に充て、業務の効率化を図り、人の力が必要な業務にマンパワーを投入しています」と話す。

 22年に立ちあげた「リーシング課」もマンパワーによって大きな成果を上げている。同課の役割は、ガス供給および家賃収入に直結する入居者の募集業務。同社の利益に直結する重要セクションであり、さらなる人材の拡充を図っている。

 メンバーは全員女性で、立ちあげメンバーの草森ほのか課長を中心に6人の社員が所属。〝くきつ女子〟としてインスタグラムで直接賃貸ユーザーに向けて訴求するプロモーションを実践するほか、賃貸仲介店への周知活動など草の根活動にも力を入れる。退去予告段階で次の入居者を確保するため、部屋探しの決め手になる写真を用意し、賃貸仲介店と専用サイトで共有している。

 また、清掃や内装工事などの遅延で入居可能日がずれ込むことも珍しくない賃貸業界で、入居可能日を〝確約〟。さらには入居者が入れ替わる度に鍵の無料交換を徹底しており、賃貸仲介店からは「安心して紹介できる」と好評を得ている。

 こうした緻密な取り組みが実を結び、2000戸のうち空室を5戸(26年2月末現在)に抑制。1年を通しても10~20戸をキープしている。この入居率は驚異的だ。

 山仲社長は「入居者募集の基本方針は、実は従前通りです。ただ、実践する現場の人間が即実行し、諦めずに継続してきたことが結果につながった。負けず嫌いの草森課長に触発されて、リーシング課はもちろんのこと他部署の女性社員も奮起してくれています。若い女性のリーダーが着実に増えてきました」と胸を張る。

 草森課長は「リーシング課に不動産業界の経験者はいませんので、例えば〝この物件は古いから入居者の獲得は難しい〟という先入観もありません。灯油暖房とガス安君の比較表をつくり、物件の強みを理解して募集資料にしっかりと言語化して仲介店様に説明しています。山仲社長の方針を実践してきてよかった。達成感を感じています」と話す。

社員一人ひとりと誠実に向き合う

 こうした達成感や成功体験の蓄積が人を大きく成長させるが、山仲社長は「むやみやたらに褒めて伸ばすことはしません。間違った成功体験で後々苦労するのは本人です。社員一人ひとりとしっかり向き合い、時には間違いや誤りを正すことも必要です。私の役割は性別問わず、会社を背負っていくリーダーを育てること。〝人づくり〟に無責任な優しさは必要ありません」と話す。

 また、日常業務や会議、人材教育など、出勤から退勤までのあらゆるシーンにおいて行動の〝動機付け〟を意識している。

「入居者の募集業務をはじめ、巡回業務、オーナー様への送金業務など、当社にはさまざまな実務がありますが、何のための仕事なのかを社員に意識させています。目の前の仕事の先にいるガス利用者様、入居者様、オーナー様、それぞれの満足度を高める仕事をしなければなりません。この意識が考えることにつながり、行動となり、ひいては主体性を育む」と山仲社長。

 業務を通じて主体性を養った社員が多いからこそ、社内では意見も活発に飛び交う。それは若手社員も例外ではない。「新人こそお客様に近い感覚だ」(山仲社長)との方針で、意見や感想をしっかりと吸い上げるのが〝くきつ流〟。年齢やキャリア、性別を問わず、声を発しやすい環境も同社で働く魅力といえる。

 現在、女性が約4割を占める同社は今後、この割合を5割まで引き上げる方針で、産休や育休制度などもしっかりと整備している。子育て社員の時短勤務などにも応じており、ライフステージに変化が生じても長く安心して勤めることができる。   


管理事業部
リーシング課
椿田 そよかさん

エステ業界からの転職です。山仲社長との面接で、個人をしっかり見てもらえる会社だと確信し、入社を決意しました。入社してすぐに、インスタグラムの入居者募集について意見させていただいた時も、上司や先輩方はしっかりと耳を傾けていただき、私のアイデアを採用してもらえました。キャリアや年齢関係なく、チームの一員として受け入れられ、働けていることがうれしいです。


総務経理部
経理課松田 帆香さん

インスタグラムを見て「楽しそうな職場だな」と感じて転職しました。入社すると想像通りの風通しの良い会社でした。経理としてオーナー様への送金業務を担当していますが、入社から1年が過ぎ、業務にも慣れてきました。単に与えられた仕事をこなすのではなく、オーナー様の立場にたって業務にあたることの大切さを学びました。目標にできる上司がいる点も自分の成長につながっています。

前列左が草森ほのか課長。リーダーシップを発揮する女性社員が増加
山仲啓雅社長
本社社屋
定期的に上司と部下のミーティングを実施
〝何のための仕事〟なのかを念頭に業務にあたる