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セーフティーステップ

職場見学では多数の高校生が初めて足場を体験

人材確保の難局を「育成」で突破する道内足場業界の雄

 あらゆる業種で人手不足が深刻化する中、とりわけ建設業界における職人の確保は、AIでは代替不可能な「技術」を要するがゆえに死活問題となっている。こうした逆風の中、独自の社員育成システムで若手人材を呼び込み、異業種の企業からも注目されているのが道内足場業界のリーディングカンパニー「セーフティーステップ」だ。

 同社は建物の形状に柔軟に対応できる「クサビ式足場」に特化し、年間8000棟を超える施工実績を誇る。その強みの源泉は、専属施工会社の職人たちだ。有資格者であることはもちろん、安全かつ使い勝手の良い足場を組む知識と接遇マナーまで兼ね備えたプロ集団の存在が、同社の成長を支えてきた。

 しかし、中途採用が年々厳しさを増す中、高木茂光社長は戦略を大きく転換。「育成期間を未来への投資と捉え、自社で職人を育てる」という方針を打ち出した。4年前に人材開発部を新設してリクルートを内製化し、独自の教育プログラム「足場アカデミー」を本格稼働。社内講師やメーカーの協力を仰ぎ、座学と実技を組み合わせた体系的な学びの場を提供している。

 その成果は劇的だ。2023年から今春にかけて、合計34名の新卒採用に成功。驚くべきことに、アカデミー開始後の退職者はゼロを更新中だ。

「これまでの取り組みが実を結び、職場見学には多くの高校生が訪れるようになりました」と高木社長は手応えを語る。

 一方で、同社は業界再編の旗振り役としても注目を集める。24年6月には協業グループ「Jステップホールディングス」を設立。同年10月には「札幌ビケ足場」を傘下に収め、道央圏で圧倒的なシェアを確立した。さらに福島、埼玉、神奈川、愛知、広島といった道外の有力企業を相次いで買収し、グループ年商は100億円を突破している。

「地場有力企業との連携をさらに強め、まずはHDの上場を目指します」と高木社長。職人採用のノウハウとDXによる管理システムを武器に全国展開を加速させ、足場業界の新たなスタンダードを築いていく。

座学と現場研修で技術を学ぶアカデミー生
セーフティーステップの本社社屋