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セーフティーステップ

現場研修で経験を積む足場アカデミー生

協業グループでホールディングス化。年商100億円超え

 人手不足やコストプッシュ型インフレにより、倒産や自主廃業に追い込まれる中小企業が増加。後継者不足もその一因と言われる。

 クサビ式足場工事のセーフティーステップは、こうした課題に協業企業によるグループ化を最適解として挑んでいる。

 設立25年を迎える同社は、道内の足場業界でも最大手に位置する。創業時から営業と職人を完全に分業。職人を足場施工に集中させることで効率なオペレーションを構築してきた。

 法改正や顧客の要望の変化に対応するため、施工体制の拡大にも注力。日本有数の規模を誇る石狩機材センターは、目指したものを具現化した証でもある。一方で、一企業として成長の鈍化も課題だった。 

「職人不足や後継者問題など、もはや社会課題であり対応するには大掛かりな仕掛けが必要と考えていました」と髙木茂光社長は振り返る。

 そして将来に向けた最適解として選んだのが事業承継ファンドの活用だ。2023年2月にJステップホールディングスを設立し、髙木社長自ら代表に就任。傘下に同社を筆頭に同じ志を持った全国各地の地場有力企業が矢継ぎ早に参画した。北海道2社、福島1社、埼玉2社、神奈川2社、愛知2社、広島1社がグループとなり、年商100億円を超える規模に成長。道内では、24年10月に札幌ビケ足場のグループ入りが大きなニュースとなった。

 目下、グループのシナジーを求め大小様々な取り組みがされている。仮設資材の集中購買、案件や足場材を相互に融通し合う効率化、管理システムの横展開によるDX推進。さらにセーフティーステップ独自の職人の採用育成プログラム「足場アカデミー」のノウハウ共有などだ。

 今後は、オペレーションや業務管理の共通化を進めグループ全体として効率化も進めていくという。

 髙木社長は「認知度向上と営業及び採用面でのアドバンテージを獲得するため、足場工事会社として初の上場を目指します」と邁進する。

セーフティーステップ本社社屋
24年10月にグループ入りした札幌ビケ足場