セーフティーステップ

グループ売上高100億円超で国内トップ企業に
建設現場に欠かせない足場の施工・レンタル事業を手掛ける「セーフティーステップ」。
ニーズの高いクサビ式足場に特化し、国内でも最大規模の石狩機材センターを武器に今や戸建ての新築・リフォームはもちろん、ビルや大規模施設まで年8000棟超の施工実績を誇る。
今、その同社が第2の成長フェーズにチャレンジしている。
近年、業界では後継者問題を抱える企業が多いが、その課題解決に向けて、2024年に事業承継ファンドを活用して「Jステップホールディングス」(本社・東京都千代田区)を設立。高木茂光社長自ら社長を兼任している。
そしてインパクトを与えたのが同年10月、競合企業だった「札幌ビケ足場」のM&Aだ。その後も全国で事業を拡大しており、福島県で1社、埼玉県で2社、神奈川県で2社、愛知県で1社、広島県で1社の地場大手を傘下に納めた。現在のグループ企業は9社を数える。
高木社長は「共同仕入れのほか、部材や機材、職人の共用などで効率化が進み、シナジー効果を感じています。とくに道内の2社は、冬季間も受注が確保できているのは大きい」と語る。
国内では珍しい共業グループを形成したことで、圧倒的な存在感を発揮。全国的に注目を集め、グループ入りの打診も多いという。
「当初の目標は年商100億円でしたが、24年度は108億円に達し、名実ともに日本一の足場施工会社となりました。今後はグループの拡大と同時に、システムの統一化などで経営のスリム化を図り事業基盤のさらなる強化を図っていきたい」(高木社長)
次の一手として高木社長が見据えているのは株式の上場だ。準備は着々と進めており、とくに強化しているのが人材の確保。3年前から人材開発部を設けたほか、独自の職人育成プログラム「足場アカデミー」では新卒者30人がスキル習得に励んでいる。
高木社長は「業界の再編が進むなか、職人確保を喫緊の課題として取り組んでおり手応えを感じている」と話し、今後は職人採用のノウハウや管理システムの構築などの地盤強化を推進する計画だ。
さらに週休2日制の導入など、下請け企業を含めた職場環境の改善にも注力し、業界のパイオニアとしての役割も果たしていく。
