セーフティーステップ

協業グループ形成で新卒採用と顧客獲得に弾み
建設現場に欠かせない足場の施工実績で、年間8000棟を超える規模を誇る仮設工事の「セーフティーステップ」。
建物の形状に合わせて、柔軟に設置できるクサビ式足場に特化した事業を展開する。国内最大級の規模の石狩機材センターを拠点に道央圏でトップシェアをひた走る。
徹底した分業制を敷き、営業が図面など必要な情報を整理し、職人による足場設計を経て施工される。現場情報を活用し足場材や労力の省力化を図るスタイルは創業時からの事業基盤であり、継続したスキルアップと人員の増強が同社成長の原動力となってきた。
今や人材不足はあらゆる業界で共通課題となっているが、同社では3年前から人材開発部を設けリクルート活動を内製化。目覚ましい成果を上げている。
高木茂光社長は「2023年に3人、24年に17人、25年は8人を社員職人として採用しました。中途を含め現在30人に達しており、当社の強みの一つと自負しています」と語る。
一方で、後継者問題を抱える同業者が多いことを睨み大掛かりな仕掛けを実施。24年6月に事業承継ファンドを活用し、Jステップホールディングスを設立した。
高木社長自らが社長に就任するとともに、同年10月には「札幌ビケ足場」を傘下にして業界に衝撃が走った。これにより、道央圏ではグループで圧倒的なシェアを握ることになる。
「各々の強みを生かし、グループによるメリットをお客様にも体感いただけるよう努めます」(高木社長)
HDの注目度も高く、全国からグループ入りの打診も増えているという。
「現在本州で福島県1社、埼玉県2社、神奈川県2社、愛知県1社、広島県1社の同業地場大手を買収し、当面の目標だったグループ年商も100億円に達しました。今後も地場の有力企業を増やしつつ、まずはHDの上場が目標です」と高木社長。
職人採用のノウハウや管理システムの開発など、協業グループのメリットを生かした全国展開で業界再編の潮流をリードしていく。

