【今月号特選記事】大手チェーンも“カットモデル画像”使い回し…増えすぎた美容室が熾烈な“集客戦争”

 かつて「不況に強い」とも言われた理美容業界。実際、業界の市場規模は過去5年ほど2兆1000億円強で、直近の2019年度こそコロナ禍の影響で2兆円を割り込んだが、横ばいから微減に留まっている。

 その一方で、店舗数は増加の一途をたどっている。厚生労働省の資料では、2019年度に全国の理容・美容室は合わせて37万1688軒となっている。

 理容室は個人経営のいわゆる「床屋」が減少する中「1000円カット」のような低価格チェーンが台頭して淘汰が進み、ここ30年で2万軒以上も減少した。

 一方の美容室はここ30年の間に4割弱、6万軒以上も増加。低価格の全国チェーンが規模を拡大する一方、高額でサービス重視の店が増えており、その大半が個人経営。2極化が進んでいる。

 市場規模が変わらず店舗が増えているため、1店当たりの売り上げは当然下がっている。当然、集客のための競争は激しくなっている。

 そうした中で、以下の情報提供が本誌編集部に寄せられた。

「札幌市内の複数の美容室が、自分で施術してもいない仕上がり例のイメージ写真を広告に掲載して集客している。店独自でやっているところだけでなく、経営コンサルタントが指南しているとも聞いている」

 美容室を経営しているという情報提供者がこう指摘するのは、大手広告代理店「リクルート」の発行するフリーペーパー「ホットペッパービューティー」Web版での違反行為だ。

 同誌は毎月最終金曜日発行。同社の公表する資料では、全国49エリアで合計555万部を発行している。飲食店広告の「グルメ」と美容系広告の「ビューティー」に分かれ、道内では札幌と旭川で制作・配布。出稿するとグルメ・ビューティーそれぞれのWeb版にも情報を掲載できる。

 具体的な違反行為というのは、各店のWeb版に設けられている「スタイル」の部分。各店のスタイリストが担当した施術を、仕上がり時の写真と紹介するページだ。利用客にとっては、施術後の仕上がりが重要。よって、写真の注目度は高いと言える。

 だが掲載店の中には、写真素材サイトで販売されている著作権フリーの写真や、他の都府県の店が撮影した写真を流用するなど、その店のスタイリストが施術したのではない写真をこの欄に載せる店があるという。

カットモデル写真は美容師の腕を端的に表す ※写真はイメージです ©財界さっぽろ

 本誌記者が確認したところ、札幌市内のある店では、所属スタイリストが「担当」した施術例として掲載していたのと全く同じ写真が、別の県の店でも使用されていた。その画像自体を検索サイトで調べると、同Web外のさまざまなサイトでも使われていた。

 その写真を使っていた店のオーナーに話を聞くと「リクルートが認めているのだから問題はない。そういうことを(本誌に)言ってくる店の見当もついている。うちの集客に対する妬みもあるのだろう」と反論。その上で「うちのような零細だけでなく大手の店もやっている」と主張する。

 確かに、同Web内に多くの店を掲載する大手チェーンでは、ある店で撮影したと思われる写真を全国各地の店舗に使い回していた。

 一方のリクルートの広報担当者はこうした使い方が禁止行為であり「認めておりません」と否定する。

 発売中の本誌月刊財界さっぽろ10月号では、同社担当者が何をどのように問題視しているかについて詳細に回答。またこうした行為がなぜ起きるのかを業界関係者が解説している。

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