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Interview

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「敵味方関係なし!オール北海道のため力を尽くす」掲載号:2009年11月号

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三井辨雄 民主党北海道代表

 民主党が結党以来、目標としてきた「政権交代」がついに現実のものとなった。国政与党としてどう北海道をリードしていくのか。民主党北海道代表に就任したばかりの三井辨雄衆院議員に意気込みを聞いた。

国民の怒り、失望が導いた民主大勝

――先の衆院選では、民主党は300議席を超える大勝を収めました。
三井 北海道は12小選挙区で11勝1敗、比例候補も合わせると15人が当選しました。経済、雇 用、年金、医療などの問題が重なり、道民が自民党政治に大きな不安を感じていたことの表れです。国民の怒りや失望感、「なんとかして政治を変えたい」とい う思いが、今回の結果を導き出したのだと思います。
それだけに、政権与党となったわれわれ民主党への期待も大きい。「勝って兜の緒を締めよ」ではないですが、私たちも道民のみなさんの期待にしっかり応え、マニフェストを実現していかなくてはなりません。責任重大、身の引き締まる思いです。
私自身は2000年の初当選から9年間、厚生労働委員会に所属し、一貫して医療、介護、福祉などの社会保障問題に取り組んできました。
今回、小選挙区で16万5267票を獲得し当選させていただいたのは、長い時間をかけて取り組んできたことを有権者のみなさまに評価してもらえたからではないかと思います。みなさまの思いをしっかりと受け止め、全力で国政に取り組んでまいります。
i2  ――北海道から初の総理大臣が誕生しました。鳩山由紀夫総理とは選挙後どんな話をされましたか。
三井 身内みたいなものですから、あまり余計なことは言わないようにしています。肝心な話は連絡を取り合っており、今回、党北海道代表に内定した後には、電話で話をして「しっかりお願いしますね」という励ましの言葉をいただきました。
そばで見ていると、鳩山さんは小沢一郎代表(当時)の下で幹事長を務めたことで、大変鍛えられてたくましくなりました。「お任せして大丈夫だ」という安心感が出てきたように感じます。
いろいろと見えない苦労はあったと思いますが、それが総理としてふさわしい人物へと成長させたのだと思います。
――民主党北海道の代表として、北海道をどうリードしていきますか。
三井 民主党北海道は結党から10年がたちますが、代表は私で5代目。初代が小平忠正さん、続いて 竹村泰子さん、中沢健次さん、鉢呂吉雄さん、そして私です。北海道の抱える問題は山積していますが、当面の課題としては「地域主権」の実現に向けしっかり 取り組んでいきたい。そのためには、権限も財源も委譲してもらわないといけません。
民主党は「地域を再生させる政策」として、国直轄事業の地方の負担金の廃止、ガソリン税などの暫定税率の廃止、高速道路の段階的な無料化、郵政事業の抜本 的見直しなどの政策を打ち出しています。これらを工程表に沿って実行し、北海道再生を実現し、元気な北海道をつくっていきたいと思っています。
また、地域主権ということになれば、近隣の国との外交・経済交流も重要になってきます。中でも北海道にとって大切にしなければならないのが、ロシア外交で す。国政に携わる中で、かねがねロシアとの関係が大変重要だと感じてきました。北方領土問題は暗礁に乗り上げていますが、これをなんとしても解決してい く。それには強い政治力がなければ解決できないと思います。
そういう意味で、外務委員長になった鈴木宗男代議士にはぜひ頑張ってもらいたいと思います。また、鳩山総理についても、おじいさんの鳩山一郎総理がソビエ ト連邦との国交回復を行ったわけですから、ロシアとの関係は重視しているはずです。われわれが一丸となって北方領土問題を解決に導いていきたいですね。
――宗男さんが外務委員長になったことで、外務省職員は戦々恐々としているようですが。
三井  鈴木代議士は外務省に対し、これまで山のように質問主意書を提出してきました。その意味で、外務省とは相対する立場にいましたが、今度は外務委員長です。いずれにしても宗男さんの手腕に大いに期待しています。

新人議員141人の“教育係”に

  ――外交問題以外では。
三井 先ほど申し上げた通り、私は初当選から9年間、厚生労働委員会にいました。現場をよく見てきましたから、まず医療・介護・福祉・年金などの社会保障問題に力を入れていきたい。
そもそも私が政治家になったのは、2000年にスタートした介護保険がきっかけです。これは「社会全体で介護を支え、個人・家族の負担を軽減します」という触れ込みの制度でした。
しかし、実際は改正改定のたびに使いづらく、負担の多い制度になってしまいました。このように前政権の構造改革のゆがみが、医療・介護・福祉を必要とする 弱い立場の人たちに押し寄せました。今後は国民が安心して生活するための社会保障制度に改善しなければなりません。やっと自分の手で政策に反映させること ができるようになり、大きなチャンスを与えてもらったと思います。
北海道は特に医療の問題が深刻で、まず取り組んでいかないといけません。過疎地域での医師不足に加え、周産期医療、救急医療の受け入れ態勢も不十分です。 産科や小児科の数も足りません。この状況を変え、子どもからお年寄りまで、みんなが安心して暮らせる社会をつくっていきます。
――党国会対策委員長代理という重要ポストにも就かれました。
三井 私は厚生労働委員会と同様、国対にも長く身を置いてきました。今回の組閣の際に、小沢一郎幹 事長から「君は国対をよく知っている。今回の衆院選で141人も新人議員が誕生したが、彼らを教育できるのは君しかいない」と直々に特命がくだり、国対委 員長代理を引き受けることになりました。
国対は新人の教育に加え、法案の整理、委員会メンバーの配置、国会日程など、野党との攻防を担当します。まさに第一線の仕事。政権維持のために非常に重要なポジションです。山岡賢次国対委員長とともに力を合わせ、頑張っていきたいと思います。

札幌JC会員数分の1に激減

――経済対策をどう進めていきますか。
三井 東京から北海道に毎週帰ってくるたびに「デパートが倒産した」「知り合いの会社が倒産した」という話を聞いて、常々、「こんなことでは北海道はだめになってしまう」という危機感を抱いていました。
私は札幌青年会議所(札幌JC)のOBですが、仲間の会社も随分なくなっています。私がJCにいたころは400人から500人くらいメンバーがいましたが、いまは140人くらい。3分の1以下に減りました。まったくさびしい限りです。
自分で事業もしているので、経済状況の厳しさは本当によくわかります。今回、民主党北海道の代表をお引き受けすることにしたのも、自分たちの住んでいる地域をしっかり立て直さなくてはならないという思いからです。
北海道が浮上していくためには、とにかく「地域主権」をしっかり進めていくことが必要です。よく「北海道は自立していない」と言われますが、それは何が原 因なのかを総括し、さまざまな立場の方々と知恵を出し合いながら、この状況を打開していければいいなと思っています。
北海道経済の再生のために協力できることは何でもしたい。北海道を元気にするためにしっかりリーダーシップを発揮していきたいと思います。
――総選挙前に発表された民主党のマニフェストに「米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結する」との文言が記載されたことをめぐって、一部の農業関係者の間には強い反発もありました。

「道民の幸せ」を考えるのが最優先

――自民・公明を支持母体とする高橋はるみ道政とは、どういう関係を築いていきますか。
三井 北海道の抱える問題をみんなで解決していこうというときに、支持母体がどこかという問題は、本来的にはあまり関係のないことのように思います。「敵か、味方か」ということではなく、過去は過去として、道民の利益を最優先に考えることがもっとも重要なことです。
これまで高橋知事とは陳情のときに顔を合わせるくらいで、じっくり話をする機会はほとんどありませんでした。先般、知事公館に招かれて会談を行ってきました。
――――どのような話をされましたか。
三井 北海道新幹線、北方領土問題、アイヌ政策などの課題について、ざっくばらんにお話をしました。
そこで、高橋知事から「鳩山内閣への政策提言などがある場合には、どなたに話をすればいいのでしょうか」と聞かれたので、「私がお引き受けします」と答えました。
民主党が政権をとったことで、今後、知事サイドからの要請を受けることになると思いますが、そういうときに私が窓口となって、道政とのパイプ役をしっかりと果たしていきたいと思います。
――――2011年には次の知事選を控えており、どう折り合いをつけるかが難しいのではないですか。
三井 知事選はまた別の問題です。知事との関係については、いろいろなご意見があると思いますが、道民の生活を第一に考えれば道政と国政の連携は不可欠です。それがわれわれ政権与党の役割と考えています。今後は懐深く関係を築いていかないといけません。
第1は、非常事態にある北海道を早急に変えていかなければならないということです。何度も申し上げますように、北海道に暮らす道民の幸せ、オール北海道のため、さまざまな課題について双方が意見を交換しながら、力を合わせていくことが重要なことだと思います。
――――ありがとうございました。

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