石屋製菓
「白い恋人」が50周年。過去の教訓を生かし、未来につなぐ
「石屋製菓」の看板商品としておなじみの「白い恋人」が2026年に発売50周年の節目を迎える。12月からはさまざまな記念イベントを展開する。
今や「白い恋人」は北海道土産の定番として不動の存在。ロングセラーの要因は多々あるが、さまざまな危機を乗り越える「対応力」と「再生力」、企業としての在り方を見つめ直し、変化を続ける「進化力」が、消費者をはじめとするステークホルダーにしっかりと受け入れられた結果といえるだろう。
さかのぼること約20年前、同社では不祥事が続いた。アイスクリーム類からの大腸菌群検出、バウムクーヘンからの黄色ブドウ球菌検出、「白い恋人」の賞味期限改ざんだ。衛生管理体制の見直しやコンプライアンスへの意識改革など、徹底的な社内改革で徐々に信用を取り戻した。
コロナ禍では土産需要が落ち込む中、自家消費需要を取り込むため、新たなブランドの立ちあげや道内直営店を出店するなど、顧客層の拡大につなげた。
そして現在、苦い過去に蓋をすることなく、当時を知らない従業員にも教訓として情報を共有している。工場や店舗など生産・販売現場で起こりうる小さな違和感にも、キャリアや役職に関わらず声を発することができる社風を醸成。従業員が一丸となって安心・安全なISHIYAをつくりあげている。
13年に掲げた企業理念「しあわせをつくるお菓子」、20年に発表した長期ビジョン「100年先も、北海道に愛される会社へ」は、創業から今日までの歩みの中から生まれた未来への決意表明といえるだろう。今年6月は50周年の記念手帳を全従業員に配布。「白い恋人」の歴史や会社として目指す方向性を言語化して改めて周知した。
また、8月には本社オフィスをリニューアル。「北海道のおいしいをつくる。つどう。つながる。~ISHIYA CREATIVE KITCHEN~」というコンセプトのもと、オフィスの中心にはテストキッチンを設置。前面には大型のカウンターを設け、経営陣による試食・承認会なども行う予定だ。
日常的にセクションの垣根を超えた従業員の感性が混ざり合うことで、商品開発のヒントも得られる。新たな「しあわせをつくるお菓子」がここから生まれる。