【今月号特選記事】マスコミと後援会幹部が一触即発!片岡春雄6選の寿都町長選挙で本誌が見た“騒乱”

「高レベル放射性廃棄物」いわゆる「核のゴミ」の最終処分場選定プロセスに手を上げた、後志管内寿都町。現在は第1段階の「文献調査」が進められている。

 その中で町長任期の満了にともなって行われた町長選挙は、6選をを目指した現職の片岡春雄氏と、プロセスの白紙撤回を主張する元町議会議員・越前谷由樹氏による一騎打ちとなった。

 過去5回にわたり片岡氏が無投票当選していたため、実に20年ぶりとなった選挙は、調査継続の是非を問うものとして全国的にも注目を集め、投票率も84%超。その結果は235票差で片岡に軍配が上がった。

 これにより、当面は選定プロセスが継続されることになった。

6選を果たした片岡春雄氏 ©財界さっぽろ

 ただし、片岡氏が勝利した要因はそう簡単なものではない。昨年10月、反対する町議や住民を押し切る形で、片岡氏は原子力発電環境整備機構(NUMO)に文献調査の応募書類を提出した。

 この中で反対派が主張したのが住民投票の実施だ。町の今後を左右する重要課題に民意を示す場がない、という主張だ。調査に対して賛否を決めかねている中間層も懸念するなど、町長選を前に片岡氏に対する風向きは悪かった。

 今年3月、その風向きを変える出来事があったのだという。片岡氏はそこから攻勢を仕掛け、勝利に結びつけたのだが――。

 他方、今回の町長選は人口3000人のまちが一躍全国から耳目を集めることとなった。投開票日、片岡氏の事務所には全国からマスコミが結集。そこで繰り広げられたのが片岡氏とマスコミによる“もう一つの負けられない戦い”だった。

 片岡氏の事務所前には当日、開票前から多くの報道陣が待機していた。当選後の挨拶は密を避けるため、事務所1階の駐車スペースで行われることに。そこで片岡氏の後援会幹部は、支援者の入場を優先するため、テレビ局のカメラクルーには敷地外から撮影をするように要請した。

片岡氏の後援会幹部と揉めるマスコミ ©財界さっぽろ

 するとテレビ局のクルーが強く反発。要請のあった場所からは、片岡氏を始め登壇者の横顔しか撮れないような位置だったためだ。

 報道陣は正面が撮れる場所にひな壇を設置するよう要求したが、後援会幹部はこれを拒否。すると報道陣の1人がこう言った。

「この町長選は全国で放送される注目ニュースなんです。片岡さんの顔をきちんと撮れなかったら、片岡さんが恥ずかしい思いをしますよ」

 この一言に、後援会幹部が激怒したのは言うまでもない。

「恥ずかしくてもいいんだ!そんなもの関係ない!!」

 発売中の月刊財界さっぽろ12月号では、片岡氏6選の決め手となった出来事やマスコミとの対峙など、寿都町長選挙のウラで本誌記者が見たさまざまな“騒乱”を詳報している。全国の書店でお取り寄せ可能のほか、当社オンラインショップからも購入できる。お買い求めは以下のリンクからどうぞ。

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