【今月号特選記事】資金調達の最新兵器 クラウドファンディング成功術

「Makuake」でCFをおこなった上川大雪酒造。3000万円近い資金を集めた ©財界さっぽろ

 コロナ禍で苦境に喘ぐ企業や団体の支援や自治体の経済対策として、クラウドファンディング(CF)は急速に世間へ浸透してきた。上手に使えば、資金調達だけでなく、その後の自社PRにもつながる。

 クラウドファンディングは、基本的に資金を調達する「実施者」と金銭で支援する「支援者」との間で成立するもので、主に四つの形式がある。

「購入型」は、プロジェクトの実施者が提供する商品やサービスを支援者が購入するタイプ。商品やサービスのことを「リターン」と呼ぶ。投資における配当と同義だ。

 購入型にはさらに二つの手法がある。

「オールオアナッシング(AoN)」型は、プロジェクトの募集期間内で目標の調達金額に達しない場合、不成立として資金の調達ができない。

「オールイン(Ai)」型は逆に、募集期間中に目標金額に達せずとも、その間に集まった支援金を受けとることができる。

 AoN型のメリットは単純で、不成立の時にリターンを支援者に送る必要がないこと。不成立の場合は支援金もすべて返還される。

 Ai型は逆に、どれだけ支援金が少なくとも、必ずリターンを送らなければならない。商品やサービスが手元にある、または製造が決まっている場合によく使われる手法だ。

 二つ目は「寄付型」と呼ばれるもの。商品やサービスのリターンがなく、純粋な支援金を募る場合に用いられる。動物の保護活動団体への寄付など、社会貢献に関するプロジェクト向き。

 自治体が「ふるさと納税」の仕組みを利用しておこなっていることも多く、その場合はふるさと納税同様、税金の還付を受けられる。

 三つ目は「継続課金」型。芸能人や画家、作家などの個人や団体が活動をするための資金を継続的に支援してもらう仕組み。「ファンクラブ型」としているCFサービスもある。

 最後は「金融」型。融資型、株式型、ファンド型などで形式は少しずつ異なる。たとえば融資型なら、実施者がCFを通じて資金を集め、大口の投資先として借り手に融資する。借り手が企業ならその業績に応じた利息がリターンとなり、借り手がファンドなら、そのファンドの実績に応じたリターンがある。

 主なCFサイトと手数料、対応する形式は以下の表の通りだ。

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CAMPFIRE(キャンプファイア)」はCF日本最大手の一角で、幅広い形式を取り扱っている。

READYFOR(レディーフォー)」は日本で初めてのCFサービス。そのためAoN型以外は取り扱っていない。

Makuake(マクアケ)」は、ネット広告大手「サイバーエージェント」の運営するCFサイト。案件ごとに写真や動画、途中経過などをふんだんに掲載できる。

ACT NOW(アクトナウ)」は札幌市の同名企業が運営するサービス。ローカルな情報発信に強みがある。

 発売中の財界さっぽろ11月号では、CFを成功させる“キモ”について解説している。お買い求めは道内書店・コンビニエンスストアのほか、当社公式通販サイトなどから。

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