【今月号特選記事】核のゴミ騒動で…鈴木直道知事と村田憲俊道議会議長のヒビ割れた関係

「体調が優れないので断る」――道議会では定例会開会前、知事が議長のもとに挨拶に行くのが慣例になっている。ところが、9月8日の第3回定例会開会前、村田憲俊議長はそう言って、鈴木直道知事の面会を拒絶した。

村田議長(上)と答弁する鈴木知事。議場での距離はこんなに近いのに… ©財界さっぽろ

 鈴木知事と道議会との関係は現在、決して良好とは言えない。与党であるはずの自民党会派とのすきま風は強くなる一方だ。そんな中にありながら、村田議長は鈴木知事に対して、寛容な立場だった。そんな両者に亀裂が走ったのは、核のゴミ騒動が発端だった。

 国が進める核のゴミの最終処分場の調査に、寿都町の応募検討が浮上したのは8月中旬のこと。その後、神恵内村でも応募の可能性が持ち上がった。10月8日に寿都の片岡春雄町長が、翌9日には神恵内の高橋昌幸村長が、応募を表明したことは周知の通り。

 鈴木知事は今回の騒動が浮上した直後から、すぐさま“NO”を表明。道の「核抜き条例」を盾に、その姿勢を貫いている。村田議長が所属する自民党は最終処分場問題で推進の立ち場にあるが、原発問題はセンシティブな問題。村田氏本人は議長という立ち場もあり、表立った発言はしていないものの、結論はどうであれ、両自治体が手をあげ、議論を深めることは大歓迎だ、と考えているだろう。

 寿都町の片岡町長が応募検討を表明した数日後の8月18日、鈴木知事は初めて自らの口で反対の姿勢を打ち出した。胆振東部地震から約1年の視察に訪れた厚真町で報道陣の質問に答えた。

 このとき、巨額な交付金で調査を募る国の手法を「頬を札束でたたくようなやり方だ」と発言した。この言葉に対して「センセーショナルだった」「インパクトがあった」と道庁、道議会関係者は口をそろえる。

 鈴木知事がこの発言をした前日の17日、村田議長と宴席を設けた。話題は当然、核のゴミ問題にも及んだ。2人がやりとりをした翌日の「頬を札束でたたく」発言だったとされる。村田議長は愕然(がくぜん)としたという。このほかに、村田議長が鈴木知事に不信感を抱いた理由がもう1つある。

 発売中の財界さっぽろ11月号では、2人の宴席でのやりとり、村田議長が不信感を抱いたもう1つの理由を報じている。お買い求めは道内書店・コンビニエンスストアのほか、当社公式通販サイトなどから。

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