森山病院
みよし・なおき/旭川医科大学医学部卒。同大病院勤務後、2026年4月から現職。日本整形外科学会認定専門医。
肘・肩の専門。腱板断裂は内視鏡・直視下両方を用いる
総合病院としてさまざまな疾患に対応している「森山病院」。元来は道内初の整形外科単科病院だった。近年は、その整形外科領域を強化。10人の整形外科医が常勤する体制を築いている。
三好直樹医師は、今年4月に整形部長に着任。旭川医大病院で肩の専門部門を立ち上げた整形外科医だ。
あらゆる肩疾患を専門としているが、数多くの実績を重ねているのが腱板断裂。関節を支える腱が骨から剥がれてしまった状態で、夜も眠れないほど痛みが強い場合もあるという。
「腱板は劣化するため、高齢になるほど患者数は増える傾向にあります」
腱板断裂の診断はMRIやエコー検査を行うが、中高年が肩の痛みで受診した場合、多くは五十肩と診断される。そのためレントゲン検査のみで診断され、鎮痛剤や湿布薬などが処方されて診察が終わるケースも少なくない。
この際、痛みが引いて生活に支障がなければそのまま経過を見ても問題ないが、腱板断裂は自然治癒することはないため無理をしたり、重いものを持ち上げるなど、負担が多いと再び炎症が起こり痛みを繰り返すこともあるという。
また、腱板断裂と診断された場合も、内服治療や生活動作に気を付けるなどの保存治療を選択する場合も多い。しかし、症状が強い場合や生活、仕事に支障が大きい場合は手術を選択するケースも多い。
三好部長は〝普段、肩をどのように使うのか〟〝痛みはどの程度か〟などをもとに、患者と一緒に決めていく。手術の場合は、断裂の規模や状態などにより、内視鏡下または直視下で行う。
内視鏡の場合は「関節鏡視下腱板修復術」で対応。肩の腱板を内視鏡を用いて骨に縫い付ける手術で、肩に数か所の小さな穴を開け、アンカーを骨に打ち込んで腱を固定する。1㌢程度の小さな傷のため、低侵襲なのが特徴だ。
腱板の断裂が広範囲、あるいは再手術などの複雑なケースは直視下で行う。確実で強固な縫合がしやすいのがメリットとなる。
また、関節の軟骨の状態も良くない場合は、人工関節への置換も提案。傷んだ肩関節を金属やポリエチレンの人工物に置き換える「リバース型の人工関節」が主流となっている。
「擦れ合う骨がなくなり痛みが取れるだけでなく、腕が上がらなかった人でも、再び自力で腕を挙げられるようになることが期待できます」
中高年に多い五十肩には手術の提案も行う。通常は鎮痛薬などの保存治療が多いが回復に時間がかかるため、手術治療で炎症部分のクリーニングをしたり、硬くなった肩関節の可動範囲を広げるなどの方法がある。
「五十肩だからといって諦めている人も多い。しかし、症状の改善が期待できる手術もある。肩の痛みを治したい人はぜひ専門知識を持つ医師に相談してほしいです」