寿産業
世の中の〝当たり前〟を支え続ける〝黒子企業〟
鉄鋼製品がなくなると世の中はどうなるのか――電気や水道、交通などあらゆるインフラが遮断され、各種工場の稼働も停止する。当然、これまでの生活を維持することはできない。
こうした〝当たり前〟を支えているのが、鉄鋼メーカー各社であり、そのパートナーとして必要不可欠な存在が「寿産業」だ。国内シェアの8割以上を誇るローラーガイドメーカーで、創業から75年にわたってローラーガイドおよび周辺機器を2万台以上供給している。
製鉄所では、高温に熱せられた鋼材を圧延機と呼ばれる機械に通し、線状や棒状などに成形してさまざまな鉄鋼製品を製造している。この圧延機の〝入口と出口〟に設置する産業機械がローラーガイドだ。鋼材を正しい角度や位置で圧延機へと誘導する重要な役割を担っている。ローラーガイドなくして鉄鋼製品の製造はままならない。
同社では「営業所」「技術部」「生産管理室」「製品室」「利府工場」の5部門が連携し、顧客ニーズのヒアリングから図面製作、部品調達、加工、組み上げまで自社で対応。すべてオーダーメードで、納品後の保守や修理も担う。北海道から九州まで全国に拠点を有して対応にあたっている。
トップシェア企業として、自社の存続と事業の継続を責務と捉え、一人ひとりの社員を重要な経営資源と位置づけている。
鈴木俊一郎社長は「社員が自ら目標を立て、逆算して短期目標を設定し、進捗状況に応じて計画を立て直すことを習慣化しています。社員の主体性と行動力を大きく向上させる自創経営をさらに進化させ、省人化や省力化、安全面の強化など、製鉄所から寄せられる多様なニーズに応え続ける」と話す。
顧客への提案力を強化するため、2025年には営業から製造、経理まで各部門の情報共有を可能にした社内システム「寿現夢」を開発。各部門の進捗状況を見える化し、能動的な連携を加速させている。
鈴木孝太郎常務は「当社には、熟練のベテラン社員も多数活躍しています。チーム一丸となってお客様と向き合い、小さなことでも気軽に声をかけてもらえるような、信頼されるメーカーを目指します」と話す。
〝人〟を原動力とする同社では、4~6月で4人の新戦力が加入。さらなる人員増も計画している。
「供給責任を果たすために、人材の拡充と技術の伝承を推し進めていく。社員が誇りとプライドを持って働けるように、継続的に処遇、待遇を向上させます」と鈴木社長。